【スプリングS】ステルヴィオ重賞初V 打倒プレミアムに弾み

[ 2018年3月19日 05:30 ]

スプリングS エポカドーロ(左)との激しい競り合いをハナ差で制したステルヴィオ
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 皐月賞トライアルの「第67回スプリングS」が18日、中山競馬場で行われ、1番人気のステルヴィオがエポカドーロを際どく差し切り、重賞初制覇。過去2戦2敗の2歳王者ダノンプレミアムとの対決に弾みをつけた。2着エポカドーロ、3着マイネルファンロンも優先出走権を獲得。

 “アイツ”以外には負けられない。直線の攻防でステルヴィオの闘志に火が付いた。好位から先に抜け出したエポカドーロとの差は残り100メートルでもまだ2馬身。だが、ルメールが左ステッキを入れるとグンと加速する。馬体を並べたゴール手前でもう一発。きっちり鼻差捉え切った。ルメールは「負けたと思った」と率直な感想を口にした上で「休み明けでここが大目標ではないが、重賞は大切だから今日はうれしい」と根性で勝ち取った重賞タイトルを喜んだ。

 これで5戦3勝、2着2回。4戦全勝の2歳王者ダノンプレミアム以外には負けていない。中山初遠征だった弥生賞を快勝したライバルに負けじと、ステルヴィオも初の中山をクリア。“3度目の正直”に向けての収穫もあった。

 プレミアムに敗れたサウジアラビアRC、朝日杯FSは共に道中10番手以降だったが、この日は中団から。ルメールは「昨年はまだ緩くて後ろのポジションになって、直線でよく伸びても遅かった。今日はいいポジションを取ることができたし、今年は良さそう」と成長に目を細めた。先行力が武器のライバルを倒すには相手を射程圏に捉えて運びたいところ。木村師も「いつもより前めで運べた。朝日杯FSはうまく流れに乗れなかったので、その点は良かった」と評価した。

 今後は厩舎で調整。師は次走について明言を避けたが順調なら皐月賞(4月15日、中山)が有力だ。ルメールにはホープフルS覇者のタイムフライヤー(若葉S5着)もおり、皐月賞でどちらに騎乗するかは現時点では未定。それでもルメールは「今日は決勝線まで伸びたし、あと200メートル延びても問題ない。プレミアムには2回負けているし、あの馬は強いが(ステルヴィオに乗ることになれば)チャレンジしたい」と白旗は揚げなかった。2度の敗戦を糧に進化を遂げたステルヴィオ。追う者の強みが大一番で生きるかもしれない。

 ◆ステルヴィオ 父ロードカナロア 母ラルケット(母の父ファルブラヴ)牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金1億1969万円。

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