【フィリーズR】桜獲りへ“満開”抽選突破リバティV!

[ 2018年3月12日 05:30 ]

<フィリーズレビュー>北村友を背に接戦を制し、桜花賞への優先出走権を得たリバティハイツ(左)
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 「第52回フィリーズレビュー」が11日、阪神競馬場で行われ、抽選突破の8番人気リバティハイツが優勝。桜花賞(4月8日、阪神)切符を獲得した。2着アンコールプリュ、3着デルニエオールまでが本番の優先出走権を手にした。一方、中京で行われた大阪杯(同1日、同)の前哨戦「第54回金鯱賞」(1着に優先出走権)は、断然の1番人気スワーヴリチャードが好位から押し切り重賞3勝目を挙げた。凱旋門賞以来だったサトノダイヤモンドは3着に敗れた。

 世界的な名血が初の重賞舞台で輝いた。8分の5の抽選を突破したリバティハイツは、トップスタートを決めるも無理せず好位へ。「前回乗ったときよりも、いい意味で前進気勢があった」と北村友。前後半3Fが33秒7〜36秒1という前傾ラップを、焦らず直線勝負に懸ける。鞍上の手が動いたのは坂の手前ラスト1Fから。軽いステップで差を縮めると、最後の30メートルでまとめてかわし先頭でゴールに飛び込んだ。殊勲の鞍上がパートナーを称える。

 「権利を取れれば、と思って乗っていましたが、馬が成長していて強い内容でした。まだ力を付けている段階なので、マイルもマイナス材料にはならないと思う。次も楽しみですね」

 母ドバウィハイツは米G1・2勝を挙げた名牝。JRA重賞100勝目となった父キングカメハメハも種牡馬として、昨年のダービー馬レイデオロなどクラシックで次々大物を送り出している。この“ダイヤの原石”を輝かせるべく、陣営は焦らずじっくりと成長を促してきた。中山競馬場で勝利を見届けた高野師は「馬の力を信じて調整してきた。馬混みでも冷静、何より根性がありますね」と力走を称えた。

 トレーナーにとって特別な思いでの重賞V。高野師は被災地である福島市出身。「実家は壊れて、まだ除染された土が置かれたりしている」。父の実家は宮城県の亘理町で、祖父は津波で亡くなっている。未曽有の被害をもたらした東日本大震災から7年。3月11日の勝利に「感じるものがありますね」と神妙な面持ちで振り返った。競馬でファンに最高の走りを届けることがホースマンとしての使命。被災地へ勇気を届ける勝利となった。

 桜花賞へ――。「馬の状態を確認してだが、向かうことになると思います」と師。果てしない成長力で女王ラッキーライラックに挑む。

 ◇リバティハイツ 父キングカメハメハ 母ドバウィハイツ(母の父ドバウィ)牝3歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・(有)社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績4戦2勝 総獲得賞金6304万4000円。

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