ブラック引退式 サブちゃん万感、感謝の「まつり」サビだけ唱

[ 2018年1月8日 05:30 ]

京都競馬場の大観衆の前で武豊を背にラストランを披露したキタサンブラック
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 最後の雄姿をありがとう!昨年の有馬記念でJRA史上最多タイのG1・7勝目を挙げて有終の美を飾ったキタサンブラック(牡6=清水久)の引退式が7日、京都競馬場で行われた。北島三郎オーナー(81)は大観衆の声援に背中を押される形で、当初は予定のなかった「まつり」のサビを熱唱。万雷の拍手の中で国民的名馬がターフを去った。

 関西G1の本馬場入場曲が響く中、武豊を背に芝コースに登場したキタサンブラック。有馬記念で達成したJRA・G1最多勝タイ記録を表す「7」が刻まれたゼッケンを装着し、グッと首を折り曲げて気合乗り十分。有馬後も連日、坂路で調整されており、緩みのない馬体がオーラを放つ。いったん4角奥の待避所に移動し、ホームストレッチをキャンター。首をわずかにスタンド側に向けての“ラストラン”は、最後の雄姿を目に焼き付けようとするファンへの、別れのあいさつにも見えた。

 7日の京都競馬場の入場人員は3万1553人だったが、引退式に残った観衆は1万8000人。改めてブラック人気の凄さが浮き彫りとなった。最後の有馬から2週間後に設定された異例の引退式。初のG1Vの地・京都でのセレモニーは北島三郎オーナーが熱望した。「こんなにたくさんのファンの皆さんに愛していただき、見送っていただける。私も最高の感動を味わった。81歳にして初めて感動し、胸が熱くなった。キタサンブラックは本当に幸せです」。北島は感無量の面持ちで頭を下げた。

 そして、やはり最後は「まつり」。サビだけの熱唱だったが、引退式開始前に「今日は歌はありません」とのアナウンスがあったため、サプライズ唱にファンは大興奮。「歌う予定はなかったが、寒い中声援を頂いたので、感謝の思いで歌った」と北島。歌手としてファンを第一にしてきた大御所らしい心遣いで締めた。

 15年1月のデビューから3年。競馬界をけん引し続けたスーパーホースは、種牡馬として第2のステージを迎える。8日に慣れ親しんだ栗東を出発し、北海道安平町の社台スタリオンステーションに移動する。順調なら産駒のデビューは21年夏。北島は「私ももう少し馬(主)をやりたいと思う。ブラックに負けないような馬が出てきたら」。2世活躍の夢を背負い、ブラックは新天地へ旅立つ。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)牡6歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績20戦12勝 総獲得賞金18億7684万3000円。

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