【シンザン記念】藤沢和師“戌年攻勢”へ!アプローチ満足追い

[ 2018年1月5日 05:30 ]

<シンザン記念>木幡育を背に併せで追い切るファストアプローチ(右)
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 新春3日連続開催を締めくくる「第52回シンザン記念」(8日、京都)の追い切りが4日、美浦、栗東トレセンで行われ、ファストアプローチが軽快な走りを披露した。有力3歳勢を抱える藤沢和雄師(66)が送り出す期待のマイラー。騎乗停止中のルメールに代わり、M・デムーロの手綱で明け3歳牡馬最初の重賞ゲットだ。

 縦列になった藤沢和厩舎の一団が調教スタンドへ近づいてくる。どの馬もスタッフの手綱に従って一糸乱れぬ脚取り。今年の干支(えと)にちなめば、ドッグショーに出陳された犬のように行き届いたしつけである。「品種改良が進んだ今のサラブレッドはビシバシ追わなくても勝手に走っちゃう。でも、人の言うことをどこまで聞けるかは、しつけの問題。厩舎が問われる」。藤沢和師が究極の目標に掲げるドッグショーのようなしつけだ。

 その一団の中にはファストアプローチ。古馬のように落ち着き払った栗色の巨体を見据えながら、同師は年頭の誓いを口にした。「昨年の暮れはみんな(馬券で)やられただろうから、今年は取り戻せるように…。頑張るしかないよ(笑い)」。昨年の朝日杯FS6着の同馬にとっても仕切り直しの一戦。「休み明けを1度使って良くなっている。レースがベテランホースみたいに凄く上手」と続けた。

 Wコースでダノンキャップ(5歳500万)との併せ馬。木幡育を背に540キロの巨体を持て余すことなく伸ばすと、馬なりのまま外から半馬身先着した。「いつも通りタイム(5F69秒0)は速くないが、動きはいい。前走は前に行った分、最後にフラついてしまった。さすがにG1だけあって粘れなかったが、初のマイルでも距離適性は示せた」と藤沢和師は言う。パワーの要求される洋芝の札幌2歳Sで2着。「馬場が少し渋った方がいい」(同師)の希望通り、レース当日の京都は雨予報だ。

 昨年はソウルスターリングのオークス制覇で史上2人目のJRA重賞100勝。レイデオロで念願のダービーも優勝し、調教師としては44年ぶりとなる同一年ダービー&オークス制覇の偉業を達成した。定年(70歳)まで残り4年と迫った今年の3歳馬もG1を狙える陣容だ。その先陣を切るファストアプローチはサトノクラウンのおいっ子にあたる良血。「戌(いぬ)年の目標?何をやろうかと考えてるところだ」。思慮を巡らす同師の前を、一糸乱れぬ縦列の一団が通り過ぎていく。ドッグショーのようにしつけの行き届いた陣容。戌年の攻勢が始まる。

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2018年1月5日のニュース