菜七子 3年目の誓い「G1乗せてもらえるよう努力したい」

[ 2018年1月1日 05:30 ]

書き初めに「次の1勝」と書き込んだ藤田菜七子
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 あけましておめでとうございます!スポニチ競馬の新年1発目は、大井の帝王・的場文男(61)とJRA紅一点・藤田菜七子(20)を直撃。年の差41歳の2人が充実の17年を振り返り、来る18年への抱負をたっぷりと語った。

 デビュー2年目の17年は、藤田菜七子にとって飛躍の一年となった。JRA女性騎手の年間最多勝記録(牧原由貴子11勝)を、10月21日の新潟11Rで20年ぶりに更新。1年目(6勝)を大きく上回る14勝を挙げ、通算勝利数も20勝に到達した。

 「1年目より少しは成長できたかなと思います。まだまだ足りない部分ばかりですが…」。謙虚に振り返りながら、新たな課題も認識している。「直線で“勝てる”と思ってしまうと、ゴール前でいつも以上に焦ってしまう。それで取りこぼしたレースも多かった。技術はもちろんですが、メンタル面も大切。これからの課題です」。

 昨年新設された「ヤングジョッキーズシリーズ」(YJS)では、トライアルラウンドをJRA東日本地区1位で勝ち抜いた。ファイナルラウンドでは13位に終わったが、菜七子にとって貴重な経験となった。

 「1年目から地方に乗りに行く機会は多かったですが、地方の騎手と話すことはあまりなかった。でもYJSは年齢の近いジョッキーばかり。情報交換も含めいろんな話ができた。もちろん同世代のジョッキーと接することで、今まで以上に負けたくないという気持ちも生まれました」

 8月9日に20歳の誕生日を迎え、新成人の仲間入りを果たした。「私自身は何も変わらないし、意識もしていない。でも、周囲の見る目が変わってきたと思います。大人として社会的な責任が大きくなったことは自覚しています」。競馬中心の日々だが、息抜きはドライブ。「車を購入して行動範囲は広がりました。目的もなく運転することが、いい気分転換になったりします。料理も簡単なものから、少しずつチャレンジしています」

 騎手3年目となる今年、一つの大きな目標がG1騎乗だ。JRAでは通算31勝に到達するとG1での騎乗が可能となる。菜七子はJRA20勝に地方での認定勝利(2勝)が含まれ、あと9勝に迫っている。

 「数字の目標は立てていない。一つ一つ勝ち星を積み重ねた結果で、G1で乗せてもらえるようになれば。G1で依頼が来るくらい信頼のあるジョッキーになるのは、デビュー当初からの目標。そのためにもっと力強く追えるように、もっと勝てるように努力したい。騎手という職業に、凄くやりがいを感じています」

 18年、菜七子が強く、美しく、成長した姿を見せてくれるだろう。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日、茨城県北相馬郡守谷町(現守谷市)生まれの20歳。13年競馬学校入学。16年3月3日にJRA16年ぶり、7人目の女性騎手として川崎1Rコンバットダイヤで初騎乗。同24日に浦和で初勝利。4月10日福島9R(サニーデイズ)でJRA初勝利。JRA通算676戦20勝。血液型A。

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