【有馬記念】神の手だ!ブラック2番に武「一番欲しかった枠」

[ 2017年12月22日 05:30 ]

<有馬記念公開枠順抽選会>武豊が2番を引き当てる
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 「有馬記念」の公開枠順抽選会が、東京都港区の品川プリンスホテルで行われた。ファン投票1位で引退戦を迎えるキタサンブラックは絶好の内寄り2番枠を引き当てた。これまでのG1・6勝を内枠で制してきた“内枠名人”。悲願の有馬初V、史上最多タイのJRA・G1・7勝へ。有終V舞台が完璧に整った。

 その瞬間、抽選会場には大歓声が起こった。馬名抽選役の柳楽優弥が6番目に引いたキタサンブラック。北島三郎オーナーの指名で2年連続、抽選舞台に登壇した武豊が馬番ボールを開けると[2]の文字。司会の細江純子さんが「わっひゃ、凄い〜」と驚嘆。昨年1番枠を自ら引き当てた“神の手”で今年も幸運枠をゲットした武豊は喜びのあまり、馬番テープに優しくキスをした。

 「一番、欲しかった枠です…」

 そして気を静めるように「でもこれは結果じゃないですから。出遅れの可能性もあるので。スタートを出すことが大事」と続けると、傍らで清水久師が「自信を持って送り出せます」とうなずいた。

 何という強運。これまで積み上げたG1・6勝の馬番は4番、1番、1番、5番、3番。最も外枠だった歴史的不良を乗り越えた今秋天皇賞が7番。後ろを振り返らず、前だけを見て突き進んできたブラックの生きざまに、天もその度ほほ笑んできた。北島オーナーは「昨年を思い出しました。(抽選順の)最後でいい枠が当たって。武さんが今年もいい枠を引いてくれました。本当にうれしかったです」と穏やかに切り出した。

 その一方でラストランへの思いも自然とこみ上げていた。

 「自分も同じ北海道から(歌手を目指して)出てきて。自分の子供がどこかにいなくなっちゃうようなさみしさも感じます。こんなに頑張ってくれて、こんなにファンの皆さんに愛してもらって…。無事にゴールに入ってくれれば。あとは武さんに任せました」

 北島はそう言って目を細めると、50台を超すカメラの前で武豊の手を握りしめた。バトンを渡された鞍上も、状況は痛いほど分かっていた。

 「責任は感じています。キタサンブラックは国民の馬だと思っています。歴史に残るレースを、歴史に残る結果を残したい。何とか引退の花道を飾らせてあげたい…と思っています」

 90年オグリキャップ、06年ディープインパクト。武豊が刻んだ有馬2勝はファン感涙のラストランVだった。自らの手で好枠も引き寄せ、有終Vの花道舞台は整った。

 ▽枠順抽選方式 ゲストの柳楽優弥、高畑充希が抽選ポットから馬名ボールを選び、馬番を選択する騎手(調教師)を決める。選択された騎手(調教師)が登壇、抽選ポットから馬番ボールを選択して自らボールを開封し、枠順決定となる。昨年は最終追いが集中する水曜に行われたが、今年は天皇賞・秋、ジャパンC(以上はコンピューターによる自動抽選)などと同じ木曜に実施した。

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