【朝日杯FS】小林&目野師 クレバーで師弟悲願のG1獲りだ

[ 2017年12月15日 05:30 ]

ケイティクレバーと朝日杯FSに臨む小林(右)と目野調教師
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 師弟で悲願のG1獲り!!「第69回朝日杯FS」は14日、出走馬16頭が確定。来年2月に定年を迎える開業30年目の目野哲也師(69)が送り込むケイティクレバーとコンビを組むのは、愛弟子でデビュー25年目の小林徹弥(43)。チャクラに騎乗した06年宝塚記念(10着)以来、11年6カ月ぶりに巡ってきたG1騎乗機会で、師匠に恩返しのJRA・G1勝利を誓った。同レースは15日、枠順が確定する。

 雪が舞う中、この日も精力的に調教にまたがり続ける小林。11年6カ月ぶりのG1騎乗でコンビを組むケイティクレバーは新馬戦から5戦、ずっと手綱を取り続けてきた。目野師と二言三言、言葉を交わしてクレバーの馬上へ。終始リラックスした雰囲気で角馬場での運動を消化した。「やんちゃするようなこともないし、おとなしい馬。使っているけど中2週空いているのは、この馬にとってはいい」と手応えを伝えた。

 93年、目野厩舎からデビュー。元騎手の師は当時はバリバリ調教に騎乗。小林と併せ馬を行うシーンも多々見られた。

 「先生は厳しい人でした。馬への接し方、乗り方など、いろいろと教えてもらいました。怒られたことは、たくさん。競馬のことから私生活のことまで…。もう思い出せないくらい」

 忘れられない出来事がある。競馬学校時代の厩舎研修。コンバットシーマーという準オープン馬の調教をコースで1周半、命じられた。しかし、当時の小林は乗りこなすことができず、3周回ってしまった。コンバットはアキレス腱断裂で能力喪失の診断。泣きじゃくりながら謝る小林に、目野師はただ「勉強しろ」とだけ言った。

 「迷惑を掛けてしまったのに、あの時先生は怒らなかった。もっと勉強をしなければ、と心に誓った」

 それから時は過ぎ、目野師の調教師生活も残り2カ月余り。トレーナーは99年南部杯(ニホンピロジュピタ)、17年帝王賞(ケイティブレイブ)と交流G1では2勝を挙げるが、JRA・G1は未勝利。一方の小林もG1は14回騎乗して4着(95年スプリンターズS、ニホンピロスタディ)が最高。

 師匠のラストイヤーに巡ってきたG1騎乗機会。クレバーはここまで5戦全て4着以内で、G3・京都2歳Sでも逃げ粘って3着と地力は確か。「2歳馬同士。どの馬にもチャンスはあると思う。最後にもらったチャンスだし、全力で乗るだけ。絶対に勝ちたい」。小林は短い言葉に闘志を込めた。

 ◆小林 徹弥(こばやし・てつや)1974年(昭49)5月5日、埼玉県出身の43歳。93年3月、目野厩舎からデビュー。同年5月2日、マーチングランで初勝利。JRA通算7540戦381勝(うち重賞5勝、14日現在)。1メートル65、51キロ、血液型B。

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