【香港ヴァーズ】ハイランドリール 昨年の雪辱果たし有終飾る

[ 2017年12月4日 08:30 ]

<米G1・ブリーダーズカップ・ターフ>優勝したハイランドリール(2016年、AP)
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 日本馬が8頭エントリーする香港国際諸競走が、今週末の10日にシャティン競馬場で行われる。昨年は日本馬のサトノクラウン&モーリスが2勝を挙げたが、やはり馬券ファンが気になるのはなじみの薄い海外勢。スポニチでは「世界のライバル」と題し、外国馬にスポットを当てて連載で紹介していく。初回は香港ヴァーズに出走するハイランドリール。馬券購入のヒントとしてお役立てください。

 あの悔しさはこの舞台でしか返せない。昨年の香港ヴァーズ。名手・ムーアを背にしたハイランドリールは、現地の単勝オッズで1・5倍の圧倒的1番人気に推されていた。レースは向正面から先頭をキープしたまま直線を迎える。過去にはBCターフ、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを逃げ切っており、誰もが勝利を予感した。しかし、大歓声を背に後方から猛然と迫ったのがサトノクラウン。香港の英雄・モレイラに導かれた日本馬に半馬身かわされ2着に泣いた。“モレイラマジック”に揺れるシャティン競馬場。主役の座は一瞬で奪われてしまった。

 今年は初戦のドバイシーマクラシック(7着)こそ崩れたが、英国のコロネーションC、プリンスオブウェールズSとG1を2勝。オブライエン師の年間G1最多27勝の大記録にきっちり貢献している。近2走もキャリア初の重馬場を走った英チャンピオンS、例年のステップに選んでいるBCターフとG1を連続3着の安定感。今年も不動の主役を張りそうだ。

 ここが引退レースになるとの報道も。2年前の香港ヴァーズ優勝に昨年の凱旋門賞2着。“クラシックディスタンス”と呼ばれる芝2400メートル戦(重賞4勝)で世界の第一線を張り続けてきた意地がある。チャンピオンズC(ゴールドドリーム)を制した主戦のムーアを背にする名門厩舎のエース格が有終の美を飾れるか。確かに海外初挑戦のキセキ、トーセンバジルの勢いは魅力だが、今年も日本馬の前には高い壁が立ちはだかっている。

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2017年12月4日のニュース