【小倉・競輪祭】新田初Vで“競輪王”福島勢はG1・4連覇

[ 2017年11月27日 05:30 ]

第59回競輪祭で優勝し、賞金ボードを掲げる新田
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 新田が競輪王――。G1「第59回競輪祭」の決勝戦は26日、北九州市の小倉競輪場で争われ、新田祐大(31=福島・90期)がまくりで優勝、賞金2890万円を獲得した。新田のG1優勝は今年6月の高松宮記念杯以来、通算5回目。競輪祭優勝は初。また決勝戦終了後に「グランプリ2017」(12月30日・平塚)の出場選手が決まった。

 新田の圧勝劇で今年最後のG1は幕を閉じた。「最終ホームから1センターにかけて踏み込んだ」新田は上がりタイム10秒6(バンクレコードは10秒5)のハイスピードで山中の逃げと木暮のまくりを一瞬でのみ込んだ。

 今シリーズは10月・寛仁親王牌以来の実戦。自転車競技との両立でハードスケジュールの中、世界の脚力を見せつけた。初日こそ中川誠一郎に差されたが、ダイヤモンドレースが11秒1、準決勝が11秒0の上がりタイムで完勝。決勝戦は「無我夢中で踏んだ。(1着は)ゴール線まで分からなかった」と振り返るが、終わってみれば2着を2車身も離していた。

 新田の今年後半戦の充実ぶりは著しい。6月・高松宮記念杯を優勝すると「常に勝ちを意識して走った」。続く8月・オールスターと10月・親王牌が2着(優勝は共に渡辺一成)。また新田が競輪祭を優勝したことで福島勢がG1・4連覇を達成。「(負傷欠場した)一成さんの分まで頑張ろう」の思いが、今回のVを大きく後押ししたことは間違いない。

 「優勝は素直にうれしい」と笑顔を振りまいた新田だが、G1優勝の喜びに浸る時間はない。世界を舞台に戦う新田は今日からワールドカップ参戦のためカナダに移動。カナダからチリに転戦して13日か14日に帰国予定。その後、今年最後の大一番の「グランプリ2017」へ向かう。

 3年連続4回目のグランプリはもちろん渡辺一成とタッグを組んで上位独占を狙う。「輪界最速のスピードをお見せしたい」。心技体の充実期を迎えた新田がグランプリでも人気を集めるはずだ。

 ◆新田 祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれの31歳。福島県会津若松市出身。県立白河高卒。05年7月プロデビュー。通算成績は847戦292勝。通算取得賞金は8億1625万円。主な優勝は第68回日本選手権競輪(15年)、第58回オールスター(15年)、第67、68回高松宮記念杯(16、17年)、第59回競輪祭(17年)。1メートル72、86キロ。血液型O。

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