【天皇賞】サブちゃん感激 ブラックは「神様、ご先祖さまの贈り物」

[ 2017年10月30日 05:51 ]

馬上の武豊と握手を交わす北島三郎オーナー(右)
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 「第156回天皇賞・秋」が29日、不良馬場の東京競馬場で行われ、1番人気で歌手の北島三郎(81)が所有するキタサンブラックがV。JRAのG1・6勝目で、史上5頭目の天皇賞同一年春秋連覇を達成した。

 東京競馬場が「まつり」に酔いしれた昨年のジャパンCのような興奮はない。北島オーナーは、かみしめるように愛馬のG1・6勝目を喜んだ。「凄い雨の中でよく頑張ってくれた。勝った後に豊さんが“最初(出遅れて)ビックリさせてすみません”と言ってくれました」と笑いを誘った。

 この日の勝利で生涯獲得賞金はディープインパクトを抜いて歴代2位に。だが、北島にとってのブラックは、それだけでは語れない存在になっている。「自分の体調が本調子ではない中でいっぱい夢をくれている。この馬は神様、ご先祖さまの贈り物だと思っています」。この日もスタンドから飛んだ祝福の声。「多くのファンが“おめでとう!”と言ってくれた。もう半泣きで歩いていましたよ」と満面の笑みを浮かべた。

 衰え知らずの強さは健在だが、国内ラスト2戦での引退には北島の美学もある。「終わりは美しい方がいい。自分も人気商売だから引き際は大切にしなきゃならないと思う。ちゃんとブラックを生まれ故郷に帰してあげたい」。“まつり”の祝歌こそなかった。今は残り少なくなった孝行息子のレースをしみじみと目に焼き付けているようだった。

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