【菊花賞】弾むキセキ ラスト11秒9!末脚解放にミルコ称賛

[ 2017年10月19日 05:30 ]

<菊花賞>M・デムーロを背に3頭併せで追い切るキセキ(中央)
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 馬の後ろで我慢。その首は確かな弧を描いていた。キセキは芝コース3頭併せ。グローブシアター(3歳1000万)が先行、ロイヤルバローズ(2歳新馬)を挟む形で最後方を追走。思えば、神戸新聞杯(2着)の返し馬でも首を下げて奇麗なストライドで駆けていた。

 4角でスッと外へ持ち出すと馬なりで前の2頭を追い掛ける。なかなか差は詰まらなかったが、一気に解放した末脚は好加速。グローブシアターに頭差先着。感触を確かめたM・デムーロが切りだす。

 「素晴らしい動きでしたね。反応も良かった。いい意味でいつもと変わらない。芝は重い馬場だったけど、悪くなかったです」

 6F82秒2〜1F11秒9の数字通り、ラストは弾むようなフットワークを繰り出した。角居師は「折り合いに気を付けて、直線でかわすようにという指示。納得の出来?そうですね。春はまだトモが緩かったけど、この秋は馬がしっかりしてきた」と成長に目を細めた。

 毎日杯3着後を休養に充て、夏の中京&新潟で連勝。M・デムーロは「新潟の時は凄い勝ち方」と素質を感じ取っていた。前走は2着に敗れたものの、上がり33秒9はメンバー最速。ラストの伸びは秀逸だった。

 「3、4コーナーでごちゃついてスムーズに行けなかったけど、最後までよく走ってくれた。少し引っ掛かると伸びを欠くので折り合いが大事。できれば中団くらいで進めたい」

 これで3走連続で上がり最速。その中身を角居師は「前々走は流れの中で加速していた。前回は狭い所で急な加速が求められた。それで伸びて2着に来たし、収穫のあったレース」と分析。また一つ“ピース”を手に入れた。今年はダービー上位馬が不在で混戦模様。こんな時こそ上がり馬。まぶしい太陽の下で経験を積んだキセキが大輪の花を咲かせる。

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2017年10月19日のニュース