【前橋・寛仁親王牌】一成G1連覇!時代は福島新・黄金時代へ

[ 2017年10月10日 05:30 ]

寛仁親王牌を制した渡辺一成(中央)。左は2着の新田祐大、右は3着の成田和也
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 渡辺がG1連覇だ、時代は福島だ。「第26回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)」の決勝戦が9日、前橋競輪場で行われ、渡辺一成(34=福島・88期)が最終ホームからまくった新田祐大をゴール前で差し切って優勝。賞金2890万円(副賞含む)を獲得した。渡辺のG1優勝は8月いわき平オールスターに続き3回目。2着新田、3着は成田和也で福島勢が表彰台を独占した。

 渡辺が右の拳をグッと握りしめた。8月・いわき平オールスターに続くG1連覇。昨年2月・久留米全日本選抜のG1初Vをはじめ、G1・3勝はことごとく新田に任せたレースだ。「全て新田君の力です。新田君が全部やってくれて(僕は)最後に差しただけ」。ただ、平オールスターを制した時との違いが1つある。新田の内から差したのではなく、外から差し切った。

 前に新田、後ろに成田。渡辺は何度も“安心”という言葉を使って心のゆとりを表現した。「新田君は安心して前を任せられる。また成田さんが後ろを固めてくれたことで安心して走れた」。思いは新田、成田も同じだった。その結果が福島勢のワンツースリー。G1決勝戦の同県3人上位独占は昨年2月・久留米全日本(1着=渡辺、2着=佐藤慎太郎、3着=新田)以来。G1に限れば3戦連続で福島勢が表彰台に複数上っている。「まだまだ福島旋風を巻き起こしていきたい」。渡辺は胸を張った。

 新田らとナショナルチームに所属する渡辺。今後も「本業と競技を頑張りたい」と両立に力を注ぐ。今後の予定は11月上旬にW杯第1戦(ポーランド・プルシュクフ)、G1小倉競輪祭(11月23〜26日)、12月上旬にW杯第2戦(英国マンチェスター)、そしてグランプリ2017(12月30日、平塚)を迎える。今年の本業はあと5走(競輪祭4走、グランプリ1走)のみだ。

 「新田君との前後はその度にしっかり話して決めていきたい。そして一戦一戦、ダイナミックでスピードのあるナショナルチームらしい走りを見せたい」。新田とのコンビが今年最後のG1競輪祭、そしてグランプリの流れを左右することは確かだ。

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2017年10月10日のニュース