【スプリンターズS】アーサー復権へ闘志!13秒5も良化期待

[ 2017年9月28日 05:30 ]

坂路単走で追い切るビッグアーサー
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 秋のG1開幕戦「第51回スプリンターズS」の最終追いが27日、東西トレセンと中山競馬場で行われた。スポニチでは今秋も「追い斬り」と題して注目馬にスポットを当てる。昨春の高松宮記念覇者ビッグアーサーは坂路でしっかり負荷。昨年12月の香港スプリント10着後は長らく戦列を離れているが、復権Vに燃えている。今春の高松宮記念覇者セイウンコウセイは2週連続でハード追いを敢行。こちらは春秋スプリントG1連覇に照準だ。

 馬場閉門が迫る午前9時45分、静まり返った坂路に力強く蹄音を響かせた。ビッグアーサーは犬山助手を背に角馬場でじっくり体を動かしてから坂路に移動。コースに入ると激しく頭を振る、この馬らしいしぐさで走る気を表現した。最初の1Fを14秒2で入り、そこからグンと加速。全身を使ったダイナミックなフォームで12秒6、12秒0とスピードに乗っていく。ゴール前は脚色が鈍って4F52秒3〜ラスト13秒5でフィニッシュ。しまいは時計を要したもののバッタリ止まったわけではない。城戸(レースは福永)がまたがった先週も4F51秒8〜1F13秒8とビッシリ負荷をかけた。予定通りの稽古は消化できており、藤岡師はこのひと追いによる上昇を期待している。

 「1週前にいっぱいにやって速い時計が出たし、もう少し楽に動けるかなと思ったけど、しまいは時計がかかった。動き自体に物足りなさはあるけど、これで良くなってくると思う」

 今年は春の高松宮記念が右前の筋挫傷、秋初戦に予定していたセントウルSが左前の爪を傷めて2戦連続の回避。この大一番でようやく実戦を迎えた。昨年12月の香港スプリント10着以来とあって、間が空いているのはマイナス材料には違いない。それでも、やるべきことはできている。藤岡師が続ける。

 「一頓挫あった分をどうカバーするか。休み明け自体は苦にしない。ただ、いきなり本番になる分、稽古をしっかりやってきた」

 昨年の高松宮記念でG1初制覇を飾り、春秋スプリントG1連覇を狙った当レースでは1番人気に支持されながら、最内枠から直線さばきづらくなって12着に敗れた。「去年はセントウルSを勝って調子が上がっていたから期待していたけど残念な結果になった。悔しい思いをしたので何とかリベンジしたい」と力を込める。

 今年こそ、そして王座奪回へ――。ブランクは地力ではね返す。

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2017年9月28日のニュース