【凱旋門賞】10度目挑戦ルメール「一番勝ちたい」、ダイヤ導く

[ 2017年9月25日 05:30 ]

10度目の凱旋門賞に挑むルメールとサトノダイヤモンド
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 いよいよ、JRAが海外馬券発売する仏G1「凱旋門賞」(10月1日、フランス・シャンティイ)ウイークに突入する。今年はサトノダイヤモンド(牡4=池江)とサトノノブレス(牡7=同)が日本競馬の悲願に挑む。ダイヤモンドの鞍上はフランス人のクリストフ・ルメール(38)。世界的名手も凱旋門賞は未勝利で、母国最高峰の一戦に懸ける意気込みは誰よりも強い。最強のパートナーをVに導き、故郷に錦を飾るつもりだ。

 ルメールは昨年のマカヒキ(14着)を含め凱旋門賞に9回騎乗し、06年プライドの2着が最高。06年はディープインパクト(3位入線→失格)を捉えたものの、勝ったレイルリンクに首差及ばなかった。「僕はフランス人ですから。凱旋門賞は一番勝ちたいレース」。Vへの渇望をはっきり口にする。

 フランスではダービーやオークスを勝っており、英チャンピオンSを筆頭に米国、UAE、オーストラリア、香港など世界各国でG1を制覇。今年は日本でダービーとオークスのタイトルを手に入れた。名手のコレクションに欠けている最も大きい勲章が凱旋門賞だ。「世界でたくさん大きなレースを勝たせてもらったけど、凱旋門賞は勝っていない。それを日本の馬で勝ったら凄くうれしい。たぶん泣いちゃうね」。日本競馬の悲願は同時に、ルメールにとっても最大の悲願である。

 パートナーはサトノダイヤモンド。昨年の菊花賞、有馬記念を制するなどデビューから11戦全てで手綱を取ってきた。前哨戦のフォワ賞は4着止まり。それでも愛馬への信頼は揺るがない。フォワ賞の敗因は道悪と休み明けと分析。「馬場が重くて最後は疲れていた。状態も70%くらいだった。大きな馬だし、次は良くなってくれると思う」と前を向く。

 本番のポイントは馬場。「今週は晴れていたみたいだね」と母国の天気を逐一チェックしている。「ダイヤモンドは日本のチャンピオンホース。本番は頭数もペースも違ってくるし、この馬の走りができれば。馬場は当日にならないと分からないし、こればかりはどうしようもないけど、良馬場ならいっぱい自信ある」。節目となる10度目の挑戦。その目はVだけを見据えている。

 ◆凱旋門賞 1920年に創設され、今年で96回目を迎えるフランスの国際G1競走。50年代以降に欧州競馬の最高峰レースとして定着。ロンシャン競馬場の芝2400メートルが舞台だが、昨年と今年は同競馬場が改修工事中のため、シャンティイ競馬場で代替開催となっている。17年の賞金総額は500万ユーロ(約6億6200万円)、1着賞金は285万ユーロ(約3億8200万円)。セン馬には出走資格がない。欧州調教馬以外は2着が最高。

 ▼シャンティイ競馬場 パリの北約40キロにあり、現存するフランス最古の競馬場。3〜4コーナーにはシャンティイ城が隣接し、付近には広大な敷地を誇るシャンティイ調教場がある。春に仏ダービー(ジョッケクルブ賞)、仏オークス(ディアヌ賞)が行われる。凱旋門賞で使用される芝2400メートルはスタートしてから少し左に行き、3コーナーからは緩やかな下り坂。最後の直線は600メートルで最大高低差10メートルの上り坂がある。

 ◆発売要項 凱旋門賞の馬券発売開始は10月1日午前10時、同締め切りは発走予定時刻の4分前(発走予定時刻は同日午後11時5分)。インターネット投票限定で単勝、複勝、ワイド、馬連、馬単、3連複、3連単の7式別を発売。日本国内独自のオッズとなる。

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