【神戸新聞杯】レイデオロ慌てず併入!ルメール“余裕”V宣言

[ 2017年9月22日 05:30 ]

ルメールを背に直線で併入するレイデオロ(右)
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 今週は先週末の変則開催の影響で、東西両重賞の追い切りが木曜に集中。阪神の「神戸新聞杯」で始動する今春ダービー馬レイデオロは、主戦ルメールが栗東から美浦に駆け付けての最終追い。Wコースの併せ馬で負荷をかけ秋初戦へ態勢を整えた。中山の「オールカマー」に出走するアルバートもWコースで軽快な動きを披露。重賞4勝目を狙う。

 多くの報道陣が待ち受ける調教スタンド前に、ルメールを背に現れたレイデオロ。カシャカシャと響くシャッター音にも動じることはない。威風堂々とコースへ歩を進めた。最終追いはラヴィエベール(4歳1000万)を大きく先行させてスタート。3〜4角で外ラチいっぱいを回って負荷をかけ直線に向いたが、パートナーは3〜4馬身前方。「追い付くのか」「単走か」。ざわつく記者席をよそに、ルメールは慌てず騒がず。気合をつけて促すと、相棒はギアを上げた。ゴール線上で併入に持ち込むと、そのまま手綱を緩めず、1角すぎまでスピードを維持して走り抜けた。

 「長い休み明けで、まだ重いから、この追い切りが必要だった。フットワークや息は問題なし。仕事をよく知ってる馬だから、ゆっくり動いてリラックスして伸びていたよ」。ルメールは納得の表情で振り返った。ダービーの最終追いのような、迫力に満ちあふれた動きではなかったが、全ては想定内。藤沢和師は「速い時計が必要な馬ではないし、ゴール前だけ併せる感じ。前半はのんびり走っていたから、直線で少し“怒られて”シャキッとしたね。輸送もあるし、これで十分だよ」と、笑みを浮かべて愛馬を出迎えた。

 ダービー馬として迎えた夏休みで、体がひと回り大きくなったレイデオロ。成長したのは肉体だけではない。ルメールが「春は子供だったが、随分と大人びた印象」と口にすれば、藤沢和師も「元々落ち着いていた馬だが一段と取り扱いやすくなった」と、精神面の進化を強調する。

 今回はあくまで秋の始動戦。鞍上は「コンディションは100%ではない」と明言した上で「この馬のエンジンがあれば問題ない。自信がある」ときっぱり。指揮官は鞍上と愛馬を頼もしそうに見つめながら「ダービー馬として、ふさわしいスタートを切ってほしい」と締めくくった。ダービー馬の威厳と誇りを胸に。絶対能力を信じて、難敵ひしめく西へと向かう。

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2017年9月22日のニュース