【武雄・共同通信社杯】デビュー21年目の諸橋、ビッグ初優勝

[ 2017年9月20日 05:30 ]

共同通信社杯の優勝カップを掲げる諸橋
Photo By 共同

 諸橋がビッグ初優勝――。G2「第33回共同通信社杯競輪」の決勝戦は19日、佐賀・武雄競輪場で行われ、平原康多を追走した諸橋愛(40=新潟・79期)がゴール前で伸びて優勝。賞金2130万円を獲得した。諸橋のビッグレース(G2以上)優勝は初めて。2着は平原で2車単<4>―<3>1460円(5番人気)の決着だった。この優勝で諸橋の今年の取得賞金額は7位に浮上した。

 デビュー21年目の諸橋がビッグ初優勝を飾った。「正直(優勝の)実感がない。普通に1着を獲った感じ」。関東勢ら選手仲間による歓喜の胴上げに舞った諸橋が表彰式に笑顔で現れた。

 決勝戦は最強のオールラウンダー・平原を信頼して臨んだ。「シミュレーションどおりに走れたけど4コーナーを回っても(平原を)抜ける感じがしなかった。しかし(平原が内に行く動きに)冷静に対応できたし最後に伸びて」ゴール直前で平原を差した。勝利を確認するとガッツポーズ。

 今年8月1日の弥彦記念で地元記念を初優勝。7月に40歳になり、選手生活20年の思いが駆け巡ったのか表彰式では感極まるシーンもあった。その1カ月半後にG2の初優勝劇。「自分は天才肌ではないので40歳を過ぎても努力して諦めなければ(ビッグVを)狙える時が来る」と信じて競輪に打ち込んだ努力が一つ実を結んだ。「若い時は無我夢中でやってきたけど今は自分に足りないことの一つ一つに取り組んでいる」。選手生活20年間の言葉には重みがある。

 この優勝で今年の取得賞金額も7位に急浮上。「G1タイトルとグランプリ出場が目標なので一歩近づいたのかなという感じ。(グランプリは)狙える位置まで来たと思う。今年の残るG1はもちろん一戦一戦を頑張りたい」。安定感ある位置取りと確かな差し脚を持つ諸橋は今年後半戦に注目される一人だ。

 ◆諸橋 愛(もろはし・めぐむ)1977年(昭52)7月21日生まれの40歳。新潟県西蒲原郡出身。県立吉田商高卒。97年4月プロデビュー。通算成績は1680戦322勝。通算取得賞金は5億7781万円。主な優勝は第33回共同通信社杯競輪(17年)。1メートル72、75キロ。血液型O。

 【決勝VTR】平原―諸橋―松谷―渡辺―新田―守沢―村上義―村上博―稲川。赤板前から上昇した村上義が渡辺を抑えて打鐘で前へ出る。その上を渡辺―新田―守沢で叩き最終Hで主導権。平原が最終Hすぎから巻き返すと新田がB番手まくり。平原は新田の内へ切り込みインまくり。新田は外へ浮く。最終コーナーで渡辺と村上博が落車(守沢が失格)。諸橋が平原をG前で差し切りV。

 ◆売り上げ 武雄競輪で開催された「第33回共同通信社杯」の総売り上げは67億2032万7500円。台風で17日が中止となり3日目以降が順延となったことが響き目標の80億円に届かなかった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年9月20日のニュース