千葉「250競輪」で存続!20年秋の開場を目指す

[ 2017年9月14日 05:30 ]

会見に臨んだ熊谷千葉市長
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 廃止が既定路線だった千葉競輪の存続が13日、正式に決まった。売り上げ低迷で17年度末での事業廃止を検討していた千葉市は、事業を包括委託している日本写真判定からの国際規格の自転車競技トラックを費用負担の上で建設し国際ルールに準拠した競走を行うという提案を受け入れ、事業継続を決めた。オリンピックイヤーの20年秋の開催を目指すことになる。

 会見に臨んだ熊谷俊人市長の口からは聞き慣れない「250(にーごーまる)競輪」という言葉が何度となく発せられた。国内では静岡・伊豆(ベロドローム)にしかない周長250メートル、屋内、木製の国際規格の自転車競技トラックを造り、国際ルールに準拠したレースを行う。そしてその車券を売る。そんな斬新な試みに正式にゴーサインが出された。

 250メートルバンクでの競輪開催には法改正が必要。JKAは今年3月にベロドロームで250競輪のテストランを実施、今後は観客を入れたテストイベントを行う予定。千葉市は12日に市長名で「千葉競輪における新たな取り組み実現に向けて(要望)」という文書を経済産業大臣など関係団体に提出した。レースのイメージは競技用自転車で行うエボリューションに似たものになり、250競輪の実施に向け競輪業界全体も歩みを進めていくことになる。

 「公営競技としての競輪とスポーツとしてのケイリンの融合により、既存のファンだけではなく新しい層にも受け入れられるのでは。千葉は実はチャリの町。ここに全国でも珍しいユニークな聖地ができることを歓迎したい」と熊谷市長は説明。来春から競輪場の取り壊し工事に着手、3年後の20年に新競輪場の完成を目指す。工事期間中は近隣の場を借りる形で記念競輪などを開催する予定だ。同市長は「(完成は)最速でも(20年の)秋になる。夏のオリンピック、パラリンピックで日本が自転車競技でメダルを獲得できるか分からないが、獲れても獲れなくても機運は高まっているはず。その機運を逃さず250競輪を開催できれば」と抱負を語った。

 ◆千葉競輪場 1949年に競輪事業を開始。日本選手権を開催した95年の年間売り上げはピークの約652億円。昨年は114億9427万円。500バンクでも直線は短めでカントも浅め。千葉公園の隣にありJR千葉駅から徒歩約15分。代表的な選手は滝澤正光(現日本競輪学校校長)、鈴木誠(52=55期)。

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2017年9月14日のニュース