【セントライト記念】ムーティエ3連勝で菊へ!逃げて一発狙う

[ 2017年9月13日 05:30 ]

調教を終え引き揚げるサンデームーティエ
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 「第71回セントライト記念」(18日、中山)で台風の目になるのがサンデームーティエだ。スタミナあふれる逃げ脚を生かして東京2400メートル戦で2連勝中。70年2冠馬タニノムーティエ、71年菊花賞馬ニホンピロムーテーなどを出した大種牡馬ムーティエから命名された長距離砲に迫った。

 昭和の大種牡馬ムーティエを思い出させる四白流星の栗毛が誰もいないWコースで躍った。覆面の間からのぞかせる気の荒そうな目つき。種馬場の担当スタッフに生傷が絶えなかったというムーティエと同じ気性か。細身の胴長体形までこの種牡馬の特徴を感じさせる。「いかにも長距離って体をしてるだろう?こういうのが長いところに向くんだ」。出迎えた谷原師の目尻が下がる。

 「馬っ気も強いし、暴れ方も半端じゃないよ。周りにたくさん馬がいると、カッカして凄いことになるから他馬のいない時間帯に調教しているんだ」と明かすと、こう語った。「東京の2400メートルをダテに連勝できない。なにしろスタミナはたっぷりあるから菊花賞にいきたいし、逃げられれば…」。500万を勝ったばかりの身とあって、その後の言葉をのみ込んだが、2連勝のレースぶりは師ならずとも穴党の期待を膨らませる。

 デビュー8戦未勝利から別馬のように一変したのが前々走。後続に4馬身差で悠々と逃げ切った。続く500万戦も逃げて押し切った。「馬群に入れたり、他馬の後ろに付けても我慢が利かないんだ。そこで逃げさせたら、二の脚も上がりも半端じゃなかった」と語る同師にとっては、94年ウインドフィールズ以来のセントライト記念優勝が懸かる。「フィールズも長距離向きの先行馬で、2勝目を挙げた直後に重賞へぶつけたものな。あれから23年もたったのか?俺も年を取るはずだ」と69歳のベテラントレーナーは懐かしそうに笑うが、3歳のサンデームーティエは伸び盛り。「ひと夏でひと回り大きくなって体重も10キロ以上増えているからね」

 スタミナ色の濃い血統。父タニノギムレット、母の父オペラハウス、祖母ペニーアップはサンデーサイレンスの全妹だ。実は特徴が似ているムーティエの血は入っていない。サンデームーティエと命名した戸部政彦オーナーは「ムーティエと同じ特徴を持っていたので名付けたんです。四白流星の栗毛には走る馬が多いし、往年のファンにかつての名馬を思い出してほしい」と言う。逃げれば止まらない。21世紀によみがえる長距離砲だ。

 ≪産駒にダービー馬タニノムーティエ≫ムーティエは58年フランス産。同国で重賞オカール賞など3勝を挙げ、66年、シカンブルの後継種牡馬として来日。74年秋の天皇賞馬カミノテシオ、皐月賞、ダービーを制したタニノムーティエ、ニホンピロムーテーなどを送り出した。テンモンやミホシンザンの母の父としても知られる。半兄のモンタヴァルと同じく気性が荒かったことでも有名。

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2017年9月13日のニュース