【いわき平・オールスター】福島コンビの一騎打ち制す!渡辺がG1制覇

[ 2017年8月16日 05:30 ]

<いわき平・オールスター>優勝し、プレゼンターの八代亜紀(右)らに祝福される渡辺
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 一成が地元G1制覇――。G1「第60回オールスター競輪」の決勝戦が15日、福島県・いわき平競輪場で行われ、渡辺一成(34=福島・88期)が新田祐大のまくりを直線内から差し切り優勝。賞金4400万円(副賞含む)と、グランプリ2017(12月30日、平塚)の出場権を獲得した。渡辺のG1優勝は16年2月の久留米全日本選抜以来2回目。2着は新田で地元コンビでのワンツー決着となった。

 渡辺が新田とのゴール前勝負を1/4輪(約17センチ)制して2度目のG1優勝を飾った。

 中部勢との対決が最大の焦点になった決勝戦。地元勢は「新田君が(イン粘りも含めて)柔軟に対応できるように」と前受けから組み立てた。残り2周前に竹内が落車するアクシデント後は新田が4番手を確保。

 「強い新田君なら行ける。僕はついて行き、浅井君を乗り越えてからの勝負」と直線勝負に懸けた。4コーナーを回ると新田と渡辺の一騎打ち。「内を差して思い切り踏ませてもらった」。10秒8の好タイムでまくった新田をかわした。

 「抜いた確信はあった」。ウイニングランから引き揚げると北日本勢の仲間による歓喜の胴上げ。表彰式では「地元の皆さまの応援があったからこそ優勝できました。ありがとうございました」と腹の底から声を絞り出して地元ファンの声援に笑顔で応えた。

 渡辺が何度も口にした「新田君のおかげ」が勝因の一つ。そして地元のG1決勝を平常心で戦えた精神面の充実ぶりも大きい。「3年後(東京五輪)は日本代表という責任感の中で走る。その舞台に向けてレースの緊張感に負けるわけにはいかない」という強い思いがある。今年1月の平記念をS級S班1人で参戦して、“負けられない”というプレッシャーの中で結果(<1><3>(2)<1>)を出したことも今シリーズにつながった。

 この優勝で2年連続のグランプリ出場を決めた。渡辺は今年後半戦も自転車競技と競輪の両立を続けるが、新田とのコンビでビッグ戦線の流れを左右する。

 ◆渡辺 一成(わたなべ・かずなり)1983年(昭58)8月12日生まれの34歳。福島県双葉町出身。県立小高工卒。03年7月プロデビュー。通算成績は806戦228勝。通算取得賞金は4億5805万円。主な優勝は第31回全日本選抜競輪(16年)、第60回オールスター競輪(17年)。1メートル76、80キロ。血液型A。

 ◆目標届かず いわき平オールスターの5日間の総売り上げは106億7867万6100円。最終日6Rが不成立で全返還となり、目標の107億円にわずかに届かなかった。

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