皇成 復活へ「ウズウズ」因縁の札幌で1年ぶり騎乗再開

[ 2017年8月11日 05:30 ]

笑顔を見せリラックスする三浦皇成騎手
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 昨年8月の札幌競馬で落馬して重傷を負った三浦皇成(27=フリー)が、今週末の札幌競馬で1年ぶりに騎乗を再開する。長期に及んだ治療とリハビリを経て、ケガは無事に回復。今週は落馬後初となる札幌での調教騎乗で元気な姿を見せた若手スター騎手が、ファンや関係者に感謝を込めて12頭の手綱を取る。

 1年ぶりに札幌競馬場へ姿を現した三浦の表情は、自らの仕事場に戻れた喜びで輝いていた。調教騎乗の合間に多くの厩舎関係者から祝福の握手を求められると、丁寧に頭を下げて感謝の意を伝える。報道陣からの取材攻めにも、終始笑顔で言葉があふれ出た。

 「ずっと来ていた場所ですからね。懐かしいというか、また今まで通りの週末が来るんだな…という感じです。もうテレビで競馬を見るのは飽きていたので(笑い)、そういう意味ではウズウズしていました」

 長期休養の原因となった昨夏の落馬事故では、骨盤と肋骨を計10カ所以上も骨折した上に内臓も損傷。全治までの期間不明という、復帰が危ぶまれるほどの重傷だった。三浦は「このケガとしては(復帰が)早かったと言われる。でも自分では“なんでこんなに時間がかかるんだろう?”と思っていた」と振り返る。

 過酷なリハビリに耐え、7月11日に北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われたセレクトセール会場に登場。落馬した“因縁”の札幌での8月復帰を宣言すると、18日には美浦での調教騎乗を再開し、3週間乗った後に札幌へ。「乗った感じでは先週、先々週でもいけると思ったが、ここがいいタイミングと春先から照準を定めていた。十分過ぎるほど間に合ったと思う」と三浦。さらに「調教と実戦は違うけど、競馬をやる場所(札幌競馬場)で追い切りに乗れたのは大きい」と、ブランク克服に手応えを感じている。

 復帰週の騎乗馬はエルムSのドリームキラリなど土日合わせて12頭。「1年ぶり、しかもスポット参戦(次週からは新潟で騎乗)で騎乗依頼を頂けたことがうれしい。でも勝負はこれから。まずは1週目、頼まれた馬をしっかりと乗りたい。気を引き締めていきたい」。1年前の悪夢を振り払うために選んだ同じ場所、同じ週の復帰。大好きな競馬に再び乗れる喜びをかみしめながら、完全復活に向けて第一歩を踏み出す。

 ◇16年8月14日札幌7R 好位から早めに動いて先頭に立った三浦騎乗モンドクラフトが、直線半ばで左第1指関節開放性脱臼を発症して転倒。競走を中止した(予後不良)。馬場に叩きつけられた上に後続の馬とも接触した三浦は札幌市内の病院に救急搬送された。

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