【クイーンS】これぞG1馬速さが違う!アエロリット圧逃V

[ 2017年7月31日 05:30 ]

<札幌11R・クイーンS>横山典はデットーリ・ジャンプで喜びを爆発
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 真夏の牝馬重賞「第65回クイーンS」が30日、札幌競馬場で行われ、2番人気アエロリットが逃げ切り。NHKマイルCに続く重賞2勝目を挙げた。鞍上の横山典弘(49)は、史上初となる現行の北海道重賞完全制覇を達成。もう1頭のG1馬アドマイヤリードは末脚届かず6着に終わった。

 これぞG1ホース。スタートを決めたアエロリットが逃げる逃げる。スピードの違いで後続をグイグイ突き放し、向正面では、その差は10馬身ほど。4角では1〜2馬身まで縮まったが、直線を向いて横山典が仕掛けると、二の脚サク裂。トーセンビクトリーが懸命に差を詰めにかかったが、2馬身半差の完勝。勝ち時計1分45秒7は14年にキャトルフィーユが記録したレコードに並ぶ好タイムだ。

 この勝利で史上初となる現行のJRA北海道重賞完全制覇の快挙を成し遂げた横山典。「馬の気を損ねないように走らせました。そこまでペースが速いとは感じていなかったし52キロだったので、最後まで踏ん張ってくれるなと思っていた」と振り返った。表彰式ではデットーリジャンプで喜び爆発。「この暑い中、馬は頑張った。また秋に向けて順調にいってくれれば」と愛馬の踏ん張りを称えた。

 菊沢師も開口一番「強かった」。この中間は美浦から何度も放牧先のノーザンファーム空港(北海道苫小牧市)や滞在中の札幌に足を運び、自ら調教に騎乗した。プラス18キロでの出走にも同師は「調教をしっかり消化していたが、カイバをビックリするくらい食べていた。いい時期にいい成長ができた。まだまだ大きくなりますよ」と胸を張った。

 今後についてトレーナーは「いったん放牧へ。一生懸命走ったので、様子を見ながら決めたい」と明言しなかったが、距離延長をクリア、初の古馬も蹴散らしたことからも、牝馬3冠最終戦の秋華賞(10月15日、京都)も視野に入ってくる。ひと夏の経験を積んだ乙女が、最高の形で秋への一歩を踏みだした。

 ◆アエロリット 父クロフネ 母アステリックス(母の父ネオユニヴァース) 牝3歳 美浦・菊沢厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績7戦3勝 総獲得賞金1億8391万4000円。

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