仏競馬 女性騎手増加に手応え 3月からハンデ制度を導入

[ 2017年6月29日 11:00 ]

対談する人気女性騎手3人。左から木之前葵(名古屋)、藤田菜七子(JRA)、宮下瞳(名古屋)
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 フランス競馬ギャロは今年3月1日から女性騎手の負担重量減量制度を導入。準重賞や重賞などを除く全競走のうち9割ほどの競走で女性騎手の負担重量が2キロ減となるハンデ制度は、男性と女性を区別なく平等に扱う乗馬、競馬などの馬に関するスポーツの根底を覆すものだ、と導入前から多くの議論を呼んでいた。

 ギャロの会長を務めるエドワード・ロスチャイルド氏が「男女間の公平よりもチャンスの均等化を目指す」と導入した制度は、およそ3カ月で女性騎手の騎乗機会を昨年の同時期と比較して300ほど増やし、約40%増となる成果をもたらした。また勝利数は12%増にとどまったこともあり、ギャロは「制度導入前に比べてバランスが壊れてしまうことはなかった」としている。

 英紙「レーシングポスト」(電子版)によると、ギャロの副会長コロンブ氏は「この傾向には勇気づけられるが、制度の真の価値は女性の騎手免許申請の増加によってのみ証明される」と静観を強調しながらも「この数字は我々の未来に希望をもたらしてくれる」と手応えを口にした。

 フランスでは100人以上の女性が騎手免許を持っており、競馬学校への入学者もおよそ6割が女性なのにも関わらず騎乗数が伸び悩み、減量制度が導入された。日本でもすでに地方競馬では女性騎手を優遇するルールを設けている競馬場もあるが、中央競馬では実施されていない。現在のJRA女性ジョッキーは藤田菜七子騎手(19)のみとなっている。

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2017年6月29日のニュース