【マーメイドS】“バラ一族”の底力!重賞初Vに挑むバンゴール

[ 2017年6月9日 05:30 ]

バンゴールがパドックで装着する祖母・ローズバドのメンコ
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 祖母のメンコパワーを借りて重賞初Vだ!!「第22回マーメイドS」に出走するバンゴールは、母の母が03年同レース優勝馬のローズバド。祖母が現役時代に実際に使用していたメンコをパドックで装着して、重賞初Vへ挑む。格上挑戦となるが、51キロのハンデも生かして祖母譲りの末脚を仁川でサク裂させる。

 ローズバド。01年オークス、秋華賞、エリザベス女王杯とG1・2着3回のシルバーコレクターとして、その名を記憶しているファンも多いだろう。勝ち切れないレースが多かったがローザネイを始祖とする“バラ一族”らしく、小さな体で強烈な末脚を繰り出して追い込んでくる姿は鮮烈だった。その“善戦キャラ”を返上したのが03年マーメイドS。雨中の重馬場を横山典が巧みにエスコート、2年4カぶりの勝利へと導いた。

 思い出が詰まった舞台に、バドの初孫バンゴールが重賞初Vを懸けて挑む。昇級初戦の前走・パールSは直線で外を回して追い上げ0秒3差4着。尾関師は「スムーズだったら勝ち負けできたレース。その中で、後ろからの競馬をして2000メートルを使うメドが立った。初めての関西圏への輸送もクリアしてくれた」と収穫を口にする。格上挑戦となるがハンデ51キロ。「いいですね。テン乗りの荻野極も若手で乗れている」とチャンス十分との見立て。

 当日のパドックでは当時バドが実際に使用していたバラの刺しゅうのメンコを着用する。トレーナーは「(バラ一族の)ロゼカラーやロサードがいる時に僕も牧場(ノーザンファーム)にいましたから、縁がある血統。大事な牝系で能力のある馬を預からせていただいている。ありがたい」と、日本の宝ともいえる血統での重賞参戦に気を引き締める。

 日曜阪神競馬場の天気予報は曇りのち雨、降水確率50%と微妙なライン。祖母譲りの小柄なボディー、切れが身上のバンゴールにとって道悪は歓迎すべき条件ではないかもしれない。それでも師は「今は体が増えてパワーが付いている。追い切りでも馬場の荒れた時間帯に力強く走れていた」と悲観の色は見られない。あの時バドが復活を遂げたのも、不得意と思われた重馬場のマーメイドS。静かに引き継がれてきた“バラ”の血が、14年の時を経て仁川で咲き誇る。

 ▼03年マーメイドS ローズバドは9戦ぶり横山典と再コンビ。馬場状態は重。「半分諦めていた」と橋口師も半ばお手上げ状態。強烈な末脚を誇るバドだったが、この日はいつものように外を回らず4角でイン突き。直線入り口で早くも先頭に立つと、スイスイと脚を伸ばしてG1・3勝馬テイエムオーシャンに3馬身半差の快勝。01年フィリーズR以来、実に2年4カ月ぶりの白星となった。

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