【日本ダービー】宮本師悲願の初出走!クリンチャー夢舞台へ

[ 2017年5月26日 05:30 ]

クリンチャーの鼻面をなで期待を込める宮本博調教師
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 25日に出走馬、枠順が確定した「第84回日本ダービー」は多頭出しが熱い!注目はクリンチャー&キョウヘイで挑む宮本博師(54)。三度目の正直となるダービーへの思いは人一倍強い。

 クリンチャーで挑んだ皐月賞前、既に宮本師の目にはダービーの大舞台が映っていた。「ダービーには悔しい記憶があるから。どうにかここで好走して、いくことが決まっているキョウヘイと2頭出しにしたい」。願いは実現し、13番人気のクリンチャーは優先出走権獲得の4着に好走。夢の大舞台に2頭で挑むことがかなった。

 伯父・悳(いさお)さんは元騎手で元調教師。騎手時代の68年に伏兵タニノハローモアでダービーを制したこともあり師もダービーへの思いを募らせた。だが、09年京都新聞杯を制したベストメンバーが、本番2週前に両橈骨(とうこつ)遠位端骨折で回避。14年ウインフルブルームは皐月賞で3着に逃げ粘ってダービーへ向かったが、レース前々日に左肩ハ行で出走を取り消すことになった。「2回目の時はどん底に落ちた気分だった。一生ダービーに出られないんじゃないかと…」

 失意の底にいた時に、電話をくれたのが師匠と敬愛する橋口弘元調教師だった。「本当に感謝の気持ちでいっぱい。あれだけの調教師ですから得るものはたくさんある」。延べ20頭目の挑戦(ワンアンドオンリー)で14年ダービーをもぎ取った師匠。やっと背中を追える。「師匠から“ダービー当日の府中は全く雰囲気が違う”と何度も聞いた。今度こそ体感したい」

 送り出す個性派2頭は魅力十分。重馬場のシンザン記念で皐月賞の1、2着アルアイン、ペルシアンナイトを破ったキョウヘイは「とにかく雨が降れば面白い」。皐月賞で力を見せたクリンチャーは「今まで最高に状態がいい。調教でも動くようになったし、消耗戦に持ち込んで持ち味を出したい」と真っ向勝負の構えだ。「(枠順決定の)ここまでは前も来た。油断せずスタートまで自分の仕事を全うしたい」。8年間待ったゲートがついに開く。その先にはもっと大きな喜びが待っているかもしれない。

 ◆宮本 博(みやもと・ひろし)1963年(昭38)3月27日、滋賀県出身の54歳。G1未勝利で、ダービー出走は初。厩務員、調教助手を経て04年に開業。同年5月9日にナリタボールドで初勝利。JRA通算277勝。重賞5勝(25日現在)。妻がつづるブログ「しろうと女房の厩舎日記」が好評で、書籍化もされている。

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