【日本ダービー】アルアイン鞍上・松山、注目にも自然体

[ 2017年5月22日 05:30 ]

アルアインとともにダービー初Vへ意気込む松山
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 4月16日の皐月賞が、新時代の到来を告げた。松山弘平はアルアインを勝利に導き、平成生まれとして最初のJRA・G1ジョッキーとなった。

 「これまでG1でチャンスのある馬に何度も乗せていただきながら勝てなくて…。最後は自分が必死になりすぎて、よれてしまったことが反省材料ですが、馬は本当に頑張ってくれました」

 ただ、当時は単勝22・4倍の9番人気が示すように伏兵の立場だった。一転、今回は皐月賞馬の騎手として注目を浴びるが、松山は実に淡々としている。自然体だ。

 「まだ、レースまで時間がありますし、そこまでの緊張感はないですね。いつもより(報道の)人が多いなというぐらいです」

 とはいえ、周囲の騒がしさは祭典が迫ってきたことを教えてくれる。1週前追い切りを終えた直後、池添兼師に話しかけられた。デビュー時に所属し、今でも拠点としている厩舎の師匠だ。

 「先生から、追い切りどうやった?と聞かれました。期待してくれているんだな、と感じましたし、改めて頑張りたいと思いました」

 童顔、そしておっとりとした口調のせいだろう、ややもすると勝負弱いイメージを持たれるかもしれない。しかし、内に秘めるものは熱い。皐月賞のウイニングラン、ターフビジョンに映った自分の姿を見て勝利を確信すると、何度も何度も左拳を天に突き上げた。普段は表に出さない分、爆発した時の感情表現は見る者の心を打つ。

 「G1を勝っているか勝っていないかでは、G1に挑む気持ちが違うと思います。もちろん、これまでも勝ちたい思いはありましたが、勝てるのかなという不安があったりしたんです。でも、これからは楽な気持ちで、いい形でレースに向かえる気がします」

 控えめな27歳が、少し自信をのぞかせた瞬間だった。並み居る名手が集うダービーでも、気後れは全くない。次は「平成生まれ最初のダービージョッキー」の称号が待っている。

 ◆松山 弘平(まつやま・こうへい)1990年(平2)3月1日、兵庫県生まれの27歳。09年騎手免許取得。12年中日新聞杯のスマートギアで重賞初制覇。ダービーは4回目の参戦。JRA通算433勝。うち重賞7勝。1メートル67、51キロ。

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