【オークス】魂の雪辱!天才少女ソウルスターリングが快勝

[ 2017年5月22日 05:30 ]

<東京11R・オークス>レースを制しガッツポーズをするソウルスターリング鞍上のルメール
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 名手に導かれ、天才少女がその力をまざまざと見せつけた。牝馬2冠目の「第78回オークス」が東京競馬場で行われ、1番人気のソウルスターリングが2番手から力強く抜け出して快勝。3着に敗れた桜花賞の雪辱を果たし、阪神JFに次ぐG1・2勝目を挙げた。鞍上のルメールは先週のヴィクトリアM(アドマイヤリード)に続いて2週連続G1制覇。藤沢和師はオークス初勝利で、現役唯一のJRA重賞100勝に到達した。ルメール&藤沢和師はレイデオロでダービーに参戦。今週も目が離せない!

 まさに魂を揺すぶる走り。これが本来のソウルスターリングの姿だ。怪物と呼ばれた2歳女王が失意の桜花賞から鮮やかに反撃。馬場中央を力強く駆け抜けた。ルメールはスタンドに向けて大きく右手をかざし、ガッツポーズ。「本当に強かった。ソウルスターリングはスペシャルホース。素晴らしい」。手放しで愛馬を褒め称えた。

 スタートを決めると道中は好位を追走。直線は早々と逃げたフローレスマジックをかわしにいった。早過ぎでは?どよめくスタンド。だが、鞍上に迷いはなかった。「早めに動いたのは内に閉じ込められたくなかったから。ちょうど前が空いたし、スムーズに走らせたいと思った」。脚色は最後まで衰えず1馬身3/4差の快勝。デビュー4連勝で臨んだ桜花賞は3着に敗れたが「桜花賞は外枠で、重い馬場も初めてだった。負けたけど自信はあった」。愛馬の力を信じ、正攻法で勝利をもぎ取った。

 その背でルメールは母馬を思い出していた。スタセリタとのコンビでは09年に仏オークスを制した。「母と凄く似ている。耳も脚(蹄)も凄く大きいし、跳びも大きくて、いいペースを維持することができる」。2番手から抜け出したレースぶりも一緒だ。母も騎手も海を越え、日本でのオークス母子制覇。前日に38歳の誕生日を迎えたフランスの名手は「とても特別な日になった。少し自分も年を取ってきたので、勝てたことに意味がある。まだやれるかな」と感慨深げに話した。

 もちろん、まだまだやれる。これで2週連続G1制覇。その手綱さばきは円熟味を増し、さらにさえ渡っている。今週はいよいよダービー。「もう一つ勝ちたいですね」と無邪気に笑った。09年は仏ダービーも制したルメール。歴史もまた、海を越えて繰り返すか。

 ◆ソウルスターリング 父フランケル 母スタセリタ(母の父モンズーン)牝3歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績6戦5勝 総獲得賞金2億7717万8000円。

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