【ヴィクトリアM】“遅れてきた4歳”ジュール、初G1も期待大

[ 2017年5月12日 05:30 ]

<ヴィクトリアM>ジュールポレールとG1勝利に臨む西園調教師
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 ヴィクトリアマイルの馬券攻略の一つの鍵となるのが“遅れてきた4歳”。08年、当時女王に君臨していたウオッカを撃破したエイジアンウインズを筆頭に、09年2着ブラボーデイジー、10年2着ヒカルアマランサスなど。共通するのは3歳時にG1出走がなかった4歳馬という点だ。

 今年ならジュールポレールがにおう。ちょうど1年前はまだ未勝利だった。体質が弱く、デビューは現4歳世代の新馬戦が終了していた昨年4月の京都未勝利戦(5着)。初勝利は6月の3戦目だった。西園師が当時を振り返る。「脚元が弱くて、それで入厩前は思うように乗り込めずデビューが遅れた。デビュー後も競馬に使うたびにガタッとくる感じだった」

 半兄サダムパテックも同師が管理し12年マイルCSに優勝。2歳で重賞(東スポ杯2歳S)を勝ち、クラシックロードを歩んだ兄とは対照的だが、妹も軌道に乗ればという手応えはあった。期待通り、秋を迎えて本格化。500万から今年3月のうずしおSまで3連勝で、条件クラスをあっさり卒業した。「条件戦とはいえ、なかなか3連勝はできない。今は脚元の不安がないし、稽古をしっかりやれるようになって馬がどんどん良くなってきた。お兄ちゃんは気性が穏やかで距離もオールマイティー。妹は癇性(かんしょう)が研ぎ澄まされて負けん気が物凄く強い。それがいい方に出ているんだろうね」。西園師にとって思い入れの強い血統馬の活躍は何よりの喜びだ。

 重賞初挑戦だった前走・阪神牝馬Sは3着も、重馬場で伸びあぐねた。2走前には3F32秒8の上がりをマークしており、良馬場の切れ味勝負なら引けを取らない。兄に続くG1制覇へ。「状態は万全」と、指揮官も自信を持って東京に送り出す。

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2017年5月12日のニュース