【梅ちゃん先生 特別編】東京11R 降っても晴れてもキョウヘイ

[ 2017年5月7日 08:00 ]

 大混戦のG1はキョウヘイのイン強襲策に懸けてみたい。重馬場のシンザン記念では馬群を縫って、後の皐月賞1、2着馬(アルアイン、ペルシアンナイト)を差し切った。その前の千両特別(アルアインの2着)も重馬場だったことから、宮本師の自宅にはてるてる坊主が逆さにつるしてある。同師の夫人は雨乞いの田楽踊りを一心不乱に舞っているそうだ。

 「そんなもんじゃ雨は1滴も落ちてこねえさ。首里の雨乞御嶽をなぜ教えてやらねえんだ」。平井の酒場で一杯やっていると、常連の金城が晴マークの並んだテレビの天気予報に目をやりながら口をとがらせた。雨乞御嶽とは首里崎山の丘の上に鎮座する、馬蹄形の石垣に囲まれた聖地。競馬の雨乞いも聞き届けてくださる。「田楽踊りで雨が降るだろうと高をくくってたんじゃねえのか。見通しが甘いぜ」と金城。

 だが、良馬場では通用しないのか。走法からスピード競馬にも対応できるはずだ。高い重心がハミを掛けた途端に沈み込み、猛然と加速する。一介の道悪巧者ではないだろう。前走のアーリントンCは良馬場で7着。切れ負けしたのではない。「怖がりな気性なので大外を回したら他馬のいない外にばかり気がいってしまった」と主戦・高倉は敗因を語る。VTRを見直せば、直線入り口で他馬のいない外へ逃げ加減になっている姿が映し出されていた。気持ちが前に向いていなかったのだ。

 道悪の望みはかないそうもないが、枠順は陣営の希望通りに内を引き当てた。他馬を怖がっても逃げ道のない内枠。直線ではシンザン記念の再現を期して、後方から馬群を縫う作戦だろう。怖がりの逃げ道は真正面だけ。逃げ出したくて一心不乱に走った先には栄冠が待っている。降っても晴れてもキョウヘイで勝負。

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2017年5月7日のニュース