【きさらぎ賞】松若の積極策で皐月賞へ!アメリカズカップ大金星

[ 2017年2月6日 05:30 ]

<京都11R・きさらぎ賞>笑顔でアメリカズカップをねぎらう松若騎手
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 東西で音無旋風が巻き起こった。京都の「第57回きさらぎ賞」は道中3番手でスムーズに立ち回ったアメリカズカップが直線抜け出し重賞初制覇。松若にとって師匠・音無師の管理馬では初の重賞制覇となった。

 雨が残る京都競馬場で松若の積極的な騎乗が、アーサーの野望を打ち砕いた。6番人気のアメリカズカップはスタートを決めると3番手の外へ。柔らかい拳で、馬をなだめながら序盤は折り合いに専念。道中は緩やかな流れで馬群は一団のまま。展開が動いたのは4角手前。後方2頭目を追走していたサトノアーサーが動くと、周りも合わせるように一気に勝負に出る。アメリカズカップは早めに抜け出したプラチナヴォイスを残り100メートルで捉え、先頭でゴールに飛び込んだ。

 殊勲の鞍上は喜びをかみしめながら「馬場が悪かったので、早めに抜け出す形で乗ろうと。道中もノメるようなこともなかったし、最後までしっかりと走れていた。まだ成長途中で、これだけ走れるのは能力の高い証拠。これから楽しみです」と振り返った。

 デビュー前から「乗り味がいい」と高く評価。デビューからコンビを組み2連勝。鞍上は「背中の感じも良くなっているし、クラシックに行けると思う」と確かな手応えをつかんだ。ところが、前走の朝日杯FSでは発馬で後手に回り、流れに乗りきれないまま9着。クラシックに向けて賞金加算は必須だった。

 陣営は調教メニューを改めて立て直しを図った。「やり過ぎないようにと馬をかわいがり過ぎたかも」と音無師。軽めの前走から一転して、3週続けて坂路併せ馬で4F51秒台を叩き出すなど、攻めの調整を施した。馬体重はマイナス12キロと減ったが、力強い脚取りが戻りタフな馬場を攻略。音無師は「体が減っていたので、今日は駄目かなと思っていたけど、結果的にはこれで良かった。器用な馬なのでスタートさえ出ればと思っていた。これ以上、やり過ぎても良くないので、今後は皐月賞(4月16日、中山)直行になると思う」とホッとした表情を見せた。

 松若は昨年みやこS(アポロケンタッキー)以来のJRA重賞4勝目。所属する音無厩舎の管理馬では初重賞制覇になった。素質馬サトノアーサーに勝ったことで、クラシック有力候補の声も。「今年はG1を勝ちたいです」。この日の勝利は若武者にとって通過点に過ぎない。

 ◆アメリカズカップ 父マンハッタンカフェ 母ベガスナイト(母の父コロナドズクエスト)牡3歳 馬主・谷掛龍夫氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績4戦3勝 総獲得賞金6149万円。

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