【AJC杯】ベテラン蛯名が導いた!タンタアレグリア重賞初制覇

[ 2017年1月23日 05:30 ]

<中山11R・AJC杯>26年連続で重賞ウイナーとなった蛯名騎手。手前右端は国枝師。
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 中山でベテラン騎手の手綱さばきがさえ渡った。「第58回AJC杯」は蛯名正義(47)が騎乗したタンタアレグリアが内をロスなく立ち回って待望の重賞初V。蛯名は26年連続重賞制覇を果たし、31年連続の武豊、28年連続の岡部に続く記録となった。

 ベテランの的確な判断がタンタアレグリアに待望のタイトルをもたらした。「こういう形になるといいなと思っていた通りの形になった。なかなか思い通りにならないが、なった珍しいレース」。蛯名はサラリとそう振り返った。

 愛馬とは8戦連続のコンビ。「できれば内に潜っていきたいと思っていた」と作戦を決めていた。気性的に子供っぽいところがあり、馬群に入れた方が落ち着いた走りができる。加えて中山の芝は開催最終週を迎えたが、内が伸びるレースが目立った。百戦錬磨の名手は微妙な馬場の変化も見逃さない。そのレースプランは大正解だった。

 スタート後は他馬の出方を見極め、徐々に内へ。1角を回る時には理想的な中団のインに導いた。3〜4角もそのまま無理なくポジションを上げると、直線も迷わず前を行くミライヘノツバサの内に飛び込んだ。「4角を回る時の手応えが良く、追うのを待ったくらい。最後は外も伸びていたけど、何とかしのいでくれた」と満足げに話した。

 15年青葉賞(2着)からダービー(7着)、菊花賞(4着)とクラシックを戦ってきた素質馬にとって、これが9度目の重賞挑戦でうれしい初V。昨年天皇賞・春(4着)以来8カ月半ぶりの実戦で馬体重は12キロ増だったが、国枝師は「馬体増は成長分。これくらいはないとね。長く休んだけど動きは良かったし、ゼンノロブロイ産駒らしく少しずつしっかりしてきた」と成長に目を細めた。

 大きな賞金加算に成功し今後は阪神大賞典(3月19日、阪神)か日経賞(同25日、中山)を使って天皇賞・春(4月30日、京都)に向かうプランが有力だ。3月に48歳を迎える年男と遅咲きの大器。「若い者に負けないように頑張りたい」。名コンビの春が楽しみだ。

 ◆タンタアレグリア 父ゼンノロブロイ 母タンタスエルテ(母の父スツーカ)牡5歳 美浦・国枝厩舎所属 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績14戦3勝 総獲得賞金1億8100万8000円。

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