【シンザン記念】キョウヘイ差し切る 父リーチザクラウンに初重賞

[ 2017年1月9日 05:30 ]

<京都11R・シンザン記念>キョウヘイでシンザン記念を制した高倉騎手(右)と関係者ら
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 京都競馬場で行われた「第51回シンザン記念」は8番人気のキョウヘイが差し切り、父リーチザクラウンにJRA重賞初タイトルを届けた。

 道中は後方で構えたキョウヘイが直線、凄い勢いで伸びてくる。一頭、また一頭とかわして最後はマイスタイルとタイセイスターリーの間にできたスペースを強襲!ズバッと突き抜け、重賞初制覇。笑顔の高倉にとっては13年中京記念(フラガラッハ)以来、4度目のJRA重賞制覇。

 「気持ち良かったです。渋った馬場で他馬の脚色が鈍ると思っていたし、ためれば切れるかなと。うまくいきました。毎年、重賞を勝ちたいです。久しぶりに勝たせてもらって今はまだ実感がありません」

 前走・千両賞も追い込んで2着。先行策だと味がないからこそ鞍上に迷いはなかった。「スタートで他馬と一緒に出すぎると力むところがあるので、わざと遅らせました」。ゲートを出てから向正面は内ラチ沿いでポツンと最後方。3コーナーを過ぎてポジションを上げると直線も外には出さない。進路を確保しながら完璧に前をさばいた。

 雨のウイナーズサークルで歓喜の輪が広がった。瀬谷隆雄オーナーの知人である横山真弓さん(53)が馬名の由来を明かす。「05年にがんを患い21歳で亡くなった息子が恭兵というんです。それでオーナーがこの馬名を付けてくださって。競馬好きだった息子が最後に競馬場に来たのが、あの年のシンザン記念。勝ってくれて良かったです」と天国に勝利を届ける力走でもあった。

 宮本師は「まだオーナーと相談してないけど中1週で使ったし、この後は放牧に出す予定。賞金を加算できたのでNHKマイルC(5月7日、東京)から逆算してやっていきます」と語った。父リーチザクラウンにJRA初重賞を贈った孝行息子の視線は3歳マイル王のタイトルを見据えていた。

 ◆キョウヘイ 父リーチザクラウン 母ショウナンアネーロ(母の父ダンスインザダーク)牡3歳 栗東・宮本厩舎所属 馬主・瀬谷隆雄氏 生産者・北海道新ひだか町の本桐牧場 戦績6戦2勝 総獲得賞金5346万5000円。

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