“平成の鬼脚”小橋正義が引退…体力気力十分も「一身上の都合」

[ 2016年12月27日 05:55 ]

G1・8勝を挙げた小橋正義がバンクを去る決意を固めた
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 G1・8勝、GP1勝「平成の鬼脚」と呼ばれた小橋正義(49=新潟・59期A級1班)が引退を決めたことが26日、スポニチ本紙の取材で分かった。

 岡山県出身の小橋は、59期生の卒業チャンピオンとして87年5月、花月園競輪場でプロデビュー。首を上下に激しく動かす独特の先行スタイルでファンを魅了し、またたく間にトップスターに駆け上がった。91年11月の小倉競輪祭で神山雄一郎の先行に飛びつき、追い込んでG1初制覇。

 戦法を追い込みに変えた94年3月静岡ダービーでは海田和裕−井上茂徳の3番手から追い込んでG1・2勝目。翌95年3月の松戸ダービーで三宅伸の逃げに乗り、“史上初のダービー連覇”(当時)を達成した。当時、鬼脚と呼ばれた井上茂徳に続き「平成の鬼脚」の地位を確立した。

 「新しい環境で再出発」と00年6月に岡山から新潟に移籍。西から東に移り、新しい環境で一流マーク選手の技を磨き続けた。01年7月の青森・寛仁親王牌は太田真一−神山雄一郎の3番手から優勝し、“史上初の東西G1制覇”を成し遂げた。

 寛仁親王牌を4度優勝、“ミスター親王牌”とも呼ばれた小橋だが、近年は競技規則の変更により本来の闘志あふれる走りが出来ず、さらに年齢的な脚力の衰えから15年7月、A級に降級。今年1月にはS級に戻ったものの、7月から再びA級に降級した。どんな展開になっても歯を食いしばり走り続けたものの、“妥協を許さない”小橋の走りは厳しい戦いを強いられていた。

 最近は引退の噂(うわさ)に対して「体力的にも気力的にも大丈夫。まだ走る」と答えていたが、スポニチ本紙の取材に対しては「一身上の都合で引退します」と本音を明かした。今月12〜14日の平塚F2(752)を最後に引退を決意。20年前(96年)の立川グランプリ覇者が、前検日の立川グランプリを前に、激闘を続けたバンクから去ることを決めた。なお正式な引退表明は年明けの予定となる。

 ◆小橋 正義(こばし・まさよし)1967年(昭42)8月18日、岡山県生まれの49歳。00年6月に新潟に移籍。岡山県立水島工高卒。87年5月に花月園でプロデビュー。主な優勝は96年グランプリ、第33、45回競輪祭(91、04年)、第47、48回日本選手権(94、95年)、第4、7、10、13回寛仁親王牌(95、98、01、04年)。通算成績は2490戦454勝。通算取得賞金は17億1073万円。1メートル71、78キロ。血液型A。

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