【有馬記念】アクター生産・北勝F田谷場長「物おじしないタイプ」

[ 2016年12月23日 05:30 ]

ゴールドアクター1歳時(12年6月撮影。北勝ファーム提供)
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 ゴールドアクターを生産した北勝ファーム(北海道新冠町)は従業員2名、繁殖牝馬10頭の小牧場。田谷利夫場長(69)はゴツゴツの手を開いて「牧柵(全周約3200メートル)は一本一本、この手で埋め込みました。手作りの牧場です」と少し誇らしげ。11年5月18日、アクターが生まれた時のことを懐かしそうに振り返る。

 「母ヘイロンシンが細身だったので、ガッチリとしたグラスワンダー(父の父)の血を意識してスクリーンヒーローを種付けしました。生まれた時は顔つきが精かんで、いい子だなと思いました。性格も優等生で物おじしないタイプでした」

 ケガも病気もなく、元気に幼少期を過ごした。

 「生後間もなくから、傾斜の多い放牧地を駆け上がっていました。上の方にある草はおいしいですから。遅生まれですが、それで体力もついたのでしょう」

 田谷場長にとって、今年はショックな出来事が相次いだ。アクターの前オーナーブリーダーの居城要氏(享年90)が6月に死去、そして12月1日にはアクターの母ヘイロンシンが肺炎で急死した。

 「ヘイロンシンは受胎率が良い馬ではなかったのですが、それでも牧場に置いてもらえた。理解のあるオーナーブリーダーだったからでしょう」

 ヘイロンシンはおなかにアクターの全きょうだいを宿したまま天国へ。

 「今年6回目、最後の種付けでようやく受胎したのですが…。もうショックでショックで。悲しいことが続きましたから、その分もアクターに頑張ってほしいという気持ちです。でも、そんな夢みたいな話があるのかなあとも思いますけどね」

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2016年12月23日のニュース