【有馬記念】サトノダイヤモンド100点!絶妙な角度と大きさの飛節

[ 2016年12月21日 05:30 ]

サトノダイヤモンド
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 サトノダイヤモンドの姿は見る者の季節感さえ狂わせてしまいます。冬毛の伸びる季節なのに、秋の日差しにまぶしい光沢を放つような毛ヅヤ。体つきにも3歳のひと夏を越して間もない時期のような丸みがあります。「天高く馬肥ゆる秋」の故事成語を地でいく馬体。2、3カ月前のカレンダーをめくっているような錯覚に陥ります。

 季節感を狂わせる理由は…。一般的には3歳夏とされるサラブレッドの成長期が2、3カ月遅れで訪れたからです。菊花賞時にはトモ(後肢)と腹周りが細く、「3歳夏の成長が見られない」と酷評しましたが、今回はどちらもフックラしています。特にトモの筋肉は明らかに容積を増して、丸みを帯びている。3歳の夏に成長できなかった体が晩秋から冬にかけてスケールアップしてきたのです。

 立ち方にも変化が表れています。菊花賞時は尾が尻から離れ過ぎていました。当時の写真を見ると、尾の付け根と尻の間から背景の生け垣が写っているほどでした。「尾離れが良すぎる」と言って、警戒心を示すしぐさです。ところが、今回は付け根を上げることなく、適度に尾離れしている。気性も安定してきたのでしょう。

 成長が見られない姿で菊花賞を完勝。そこには飛び抜けた長距離資質を感じます。元々、ゆったり遊びのある骨格に筋肉が柔らかく付いたステイヤー体形。頭から蹄まで全ての部位がバランス良くつながっています。特に飛節はトモのパワーを余すところなく推進力に変えられる絶妙な角度と大きさです。

 そんな一流馬の馬格に2カ月遅れで訪れた成長。跳びが大きいため小回り中山の舞台はキタサンブラック同様に不向きですが、克服する可能性は十分にあります。なにしろ、見る者の季節感さえ狂わせる姿ですから。

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2016年12月21日のニュース