【阪神JF】“怪物魂”ソウル3連勝で無敗女王!桜最有力候補に浮上

[ 2016年12月12日 05:30 ]

<阪神JF>直線駆け抜け圧勝のC.ルメール騎手騎乗のソウルスターリング
Photo By スポニチ

 「第68回阪神ジュベナイルフィリーズ」は1番人気ソウルスターリングが内から豪快に抜け出し、無傷3連勝で2歳女王に輝いた。怪物と呼ばれた父フランケルの良血馬は、来春の桜花賞(4月9日、阪神)の最有力候補に躍り出た。

 さすがは世界の良血。ソウルスターリングは古馬のような気品に満ちていた。好スタートから4番手インで折り合う。残り1Fで先頭に立つと独り舞台。ルメールがムチを動かしたのは残り100メートル、見せムチ程度に1発だけ。外から伸びたリスグラシューに決定的な1馬身1/4差。3戦全勝の2歳女王が誕生した。

 ルメールは「フランケル産駒でG1を勝ててとてもうれしい。それにお母さんは僕にとってスペシャルホースだから」と声を弾ませた。G1・6勝の母スタセリタはフランス在籍時代、仏オークスなど自らの騎乗でG1・3勝を挙げた。14戦14勝の怪物フランケルとの配合とあれば、当然思い入れは強い。トップジョッキーが香港に渡る中、阪神で6勝の固め打ちでG1制覇。「跳びの大きなところや毛色はお母さんと同じ。藤沢和厩舎スタッフに感謝したい。優しい調教のおかげで馬も楽しそうにリラックスしていた。直線もすぐ反応してくれた」とルメール。

 藤沢和師は98年スティンガー以来、2度目の阪神JF制覇。G1通算23勝目に「心配した輸送もクリアしてくれた。スタートも良かった。落ち着いていたからね」と愛馬を称えた。大人びたレースで勝ったとはいえ、かれんな少女。師は「普段カイバ食いは良くないけど、体はいいし、動きもいい。日本の速い時計に対応できるか心配したけど、走りも軽くてこなせる。調教師としては楽な馬です」と目を細めた。

 来春の皐月賞、ダービーの牡馬クラシック登録を済ませている逸材。1800メートルで2連勝し、桜花賞と同じ舞台で結果を出した。師は「きょう初めて使ったけど、1600メートルはいいなあ~」と笑顔。舞台は約4カ月後の同じ阪神。ルメールは「スピードだけでなく、スタミナもある。来年が楽しみ」と目を輝かせた。

 ◆ソウルスターリング 父フランケル 母スタセリタ(母の父モンズーン)牝2歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金8949万8000円。

 ◆フランケル 08年英国産。父ガリレオ。10~12年に同国で14戦全勝、G1・10戦全勝。1400メートルとマイルのG1で8連勝。その後2000メートル戦に転じインターナショナルS、チャンピオンSのG1を連勝して引退。13年に同国で種牡馬入り(種付け料12万5000ポンド=当時約1600万円)。初年度産駒となる現2歳馬から4頭の欧州重賞ウイナーが出ているがG1制覇はソウルスターリングが初めて。

続きを表示

この記事のフォト

2016年12月12日のニュース