武幸四郎が新規調教師試験合格!理想の調教師問われ「父親です」

[ 2016年12月9日 05:30 ]

新規調教師試験に合格し、笑顔で質問に答える武幸四郎騎手
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 幸四郎“先生”の誕生だ!JRAは8日、新規調教師試験の合格者を発表し、今年8月に亡くなった武邦彦氏の四男で、豊の弟・武幸四郎(38)が7人の合格者に名を連ねた。早ければ来年3月、遅くとも再来年には「武幸厩舎」が開業する。

 幸四郎は難関とされる調教師試験に2度目の受験で合格した。「騎手20年目を迎えますが、5年くらい前から調教師の道を考えていました。合格してホッとしています。同時に2月で騎手を引退するんだな、という気持ちもあります」と感無量の様子。ステッキを置くにはまだ日にちがある。寂しさよりも、この日は喜んだ。

 「兄はこの時間、香港の帰り(の機内)なのでまだ話をしていません。母親はお世話になった馬主さんからの祝福に涙していたそうです」。家族を抜きに幸四郎を語れない。父の邦彦氏、兄の豊は競馬界に名を刻む金看板。今年8月12日に父親が死去。同じ年に、同じ道を歩む決意が成就したことも運命だろう。理想の調教師は?との問いに「父親です。調教師としても人間としても一生の目標にしていきたい」とした幸四郎は「馬主さん、牧場、厩舎スタッフ、騎手。みんなから好かれていた。そんな調教師になりたい」と繰り返した。

 「地獄の試験勉強から解放されたけど、これからは開業に向けての勉強が始まる」。多い時は1日10時間以上も机に向かっていた。「馬には(持って生まれた)能力がある。20年、騎手をやってきて一つ勝つことがいかに大変かは身に染みている。能力を最大限に引き出すことを一生懸命やっていきたい」。近日中に幸四郎は受験合格の報告と将来の決意を父へ伝えに行く。

 ◆武 幸四郎(たけ・こうしろう)1978年(昭53)11月3日、滋賀県出身の38歳。97年3月、武邦彦厩舎から騎手デビュー。デビュー2日目に騎乗したマイラーズC(オースミタイクーン)で初勝利&初重賞制覇の快挙を達成。同年には最多勝利新人騎手を受賞。00年、秋華賞のティコティコタックでGI初勝利。13年にはメイショウマンボでオークス、秋華賞、エリザベス女王杯の牝馬G1・3勝を挙げた。JRA通算9056戦687勝、うちG1・6勝を含む重賞28勝。

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