【チャンピオンズC】ホッコータルマエ“有終11冠”へ上昇気配

[ 2016年11月29日 05:30 ]

JRAラストランを迎えるホッコータルマエ
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 秋のダート王決定戦「第17回チャンピオンズC」。ダート転向で素質が開花した馬や、勢いある3歳馬など新興勢力のレースぶりに注目が集まるが、実績では一昨年の覇者ホッコータルマエが抜けた存在。すでに年内での引退、種牡馬入りが決まっていて、これがJRAラストランになる。7歳を迎えたが前走のJBCクラシックで2着としぶとさは健在。叩き良化型のタイプで上昇ムード。“有終V”へ陣営も力が入る一戦だ。

 一昨年の覇者ホッコータルマエはすでに年内での引退、種牡馬入りが決まっていて、このレースがJRAでのラストランになる。これまで交流含め歴代最多のG1・10勝を挙げるダート界のレジェンド。7歳を迎えた今年初戦の川崎記念で同レース3連覇を飾ると、前走のJBCクラシックでも持ち味の粘り強さを発揮して2着。直線は勝ち馬のアウォーディーに突き放される態勢だったが、鞍上・幸の鼓舞に応えるように再点火して0秒1差まで肉薄。年齢的な衰えを感じさせないレースぶりだった。全休日の月曜朝、担当の相良助手を直撃した。

 「引退するからといって調教を手控えていない。負けはしたが前走も最後までしぶとかったし、能力が極端に衰えたわけではない。もともと叩き良化型。ここが変わり頃だと思います」

 “有終V”へ向け陣営の調整に抜かりはない。1週前追いでは稽古役の国分優(レースは幸)を背に迫力満点の身のこなし。メイショウブイダン(5歳1600万)を相手に4F52秒6。ラスト2Fから気合を付けられると12秒7→12秒6。雨で水分を含んだ重たいチップを力強く蹴り上げ、僚馬を3馬身追走から悠々と同入に持ち込んだ。

 昨年のこのレースは5着。序盤で中団の位置取りになり向正面からポジションを取りに動いた結果、直線での粘りを欠いた。同助手は「前崩れの決め手勝負で厳しい展開。それでも前に行った馬の中では最先着していますから」と悲観の色はない。今年は3年連続で参戦していたドバイ(ワールドカップ)のことを考えなくてよくなり、秋は早めの始動。「今までと違い南部杯から始動。本番に向けて2回使えたことは大きい」と上積みを見込む。

 地力は一番。最後の中央でタルマエらしい闘志あふれる走りを――。陣営の思いはこの一点だ。

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2016年11月29日のニュース