【大村・チャレンジC】石野 圧逃V!賞金ランク1位でGP初戴冠へ弾み

[ 2016年11月28日 05:30 ]

第19回チャレンジカップで優勝し、カップを手にする石野貴之
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 ボートレース大村のSG「第19回チャレンジカップ」は27日、12Rで優勝戦が行われ1号艇の石野貴之(34=大阪)が優勝した。今年7月のオーシャンカップ(鳴門)に続き通算4回目のSG優勝。賞金ランクトップに躍り出て、SGグランプリ(12月20~25日、住之江)初戴冠へ弾みをつけた。同時開催のG2レディースチャレンジカップは1号艇の遠藤エミ(28=滋賀)が優勝した。

 石野の晴れやかな笑顔が表彰台で輝いた。「(賞金ランキング)1位で年末を迎えるんだという強い気持ちで大村に入ってきた。それがかなった。ホッとした」。メンタル面の強さが随所に光ったシリーズ。最後に笑ったのは、やはりこの男だった。

 優勝戦。インからコンマ09の2番手スタートを決めると、そのまま真っ先に1Mへと飛び込んだ。「いいスタート、いいターンができた。2Mで内に誰もいなかった。そこで優勝を確信した」。3号艇・吉川が1Mで転覆するアクシデントはあったが他艇を全く寄せ付けなかった。文句なしの逃げだった。

 Vへの道のりは楽ではなかった。直近のSG戦線は散々。福岡ダービーでフライング。桐生メモリアルでは優勝戦1号艇を手にしながら2着敗退。何かを変えなければいけないと思いながら大村に乗り込んだ。思いがけずエース・44号機を引き当てた。石野は報道陣に宣言した。「優勝します」。元々、自分にプレッシャーをかけて突破していくタイプだが、今回はさらにその上を行った。もう後戻りできない。自分を崖っ縁に追い込んだ。「流れを変えなければいけない。自分にプレッシャーを与えた」

 だが、そう思い通りには運ばない。序盤は調整に苦戦した。重圧につぶされそうになりながら3走目で白星。ここで潮目が変わった。それまでがウソのように44号機はうなりを上げた。最終的には予選を2位通過。準優もきっちり逃げた。優勝戦も勝ち切った。石野は自分との勝負に勝った。

 優勝賞金2500万円を加算して今年の賞金1億1400万円を突破。2位の菊地孝平に約1700万円の差をつけ、トップに躍り出た。年末のGPへ向けて、こう語る。「1位で優勝した時のうれしさは凄いと思う。その権利は僕にしかない」。自己を追い込み、解き放つ。石野の進撃は簡単には止まりそうにない。

 ◆石野 貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭53)6月3日、大阪府生まれの34歳。近大付高時は野球部主将。90期生。02年5月住之江タイトル戦でデビュー。同年6月住之江新鋭リーグで初勝利。03年10月宮島新鋭リーグで初優勝。07年1月新鋭王座で初G1。10年7月丸亀オーシャンCでSG初優出、初優勝。通算優勝44。(G15、SG4)。主な同期は吉田拡郎、赤坂俊輔。1メートル66、52キロ。血液型O。

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