【マイルCS】“女王様”マジックタイム 得意のマイルで初戴冠だ

[ 2016年11月17日 05:30 ]

単走で追い切るマジックタイム

 【G1ドキュメント=16日】Wコース入り口で中川厩舎の“女王様”が、ぷりぷり機嫌を損ねている。鞍上が促しても馬場に入ろうとせず、後ろには馬の渋滞が。業を煮やした僚馬が走りだした瞬間、釣られるように飛び出したマジックタイムの最終追いがスタートした。

 馬場入りをアシストした僚馬2頭は目算で10馬身以上前。馬なりで快適に飛ばしていくと、その差がみるみると詰まる。「え、併せるの!?」。高木が驚いた直線、鋭い伸び脚で迫り続け、約1馬身後ろでフィニッシュした。

 石田助手は「この馬は女王様だから他の馬が嫌いなんですよ。いつも馬場入りでごねるけど走れば真面目。併せるつもりはなかったが、あれだけ差を詰めちゃうんだから調子は本当にいい」と追い切りシーンを説明。苦笑いの裏に手応えが見え隠れしていた。

 全5勝を挙げる得意のマイルでG1初戴冠を狙う。4月ダービー卿CTでは安田記念勝ちロゴタイプ、今回人気のサトノアラジンの強敵牡馬をそろって撃破。同助手は「(下馬評ほど)力差はないと思っているし、この距離ならラストの瞬発力が違う。逃げそうな馬がいるんで道中は死んだふり作戦でいきたい」と真剣な目で話した。

 女王といえば、今年の京都&府中牝馬Sで2着に敗れたクイーンズリングが先週のエリザベス女王杯を優勝。ともに0秒2差以内の接戦を演じたライバルが先に栄冠を手にした。「どうにかこの馬にもG1を勝たせたいんです。いい形でゴールドアクター(同厩舎でジャパンC出走予定)につなげたい」。穴馬候補に、と思って話を聞きに行った高木。思わず“マイル女王”のティアラを付ける光景を想像してしまうほどの好感触だ。

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2016年11月17日のニュース