【エ女王杯】マリア 連覇へ追って手応え!久保田師も“進化”実感

[ 2016年11月10日 05:30 ]

単走で追い切るマリアライト

 連覇へ、視界良好。秋の最強牝馬決定戦「第41回エリザベス女王杯」(13日、京都)の追い切りが9日、美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では昨年に続いてレース連覇を狙うマリアライトが、Wコースで軽快な動きを披露。6月の宝塚記念では強豪牡馬を一刀両断にした現役最強牝馬が、万全の態勢で京都に乗り込む。

 ダートコース半周のキャンターで脚慣らしを終えてから、追い切りを行うWコースへと移動したマリアライト。僚馬4頭を従えて堂々と先頭を歩く姿には、女王の風格が漂う。最終追いは単走。向正面からコース入りすると、序盤から軽快に加速していく。3~4角は外ラチ沿いを大きく回って直線へ。鞍上のアクションがほとんどない馬なりだが、スピード感あふれる身のこなしでフィニッシュした。

 「流れるように走っていたね。ひと追いごとに走りのバランスも良くなっている」。動きを見届けた久保田師も満足の表情を浮かべた。秋初戦の前走オールカマーは、直線で伸び切れず5着。師は「思っていた通りの調整はできていたが、勝負どころでの反応に物足りない感じを受けた」と振り返る。以前は敏感で稽古でもメンコを着用していたが、先週、今週と外して追い切りに臨んだ。「動きがピリッとして、いい感じだと思う。当日の雰囲気次第だが、実戦でも外す方向で考えたい」と策を練っている。

 メンコに頼らなくてもよくなった精神面の成長は、調教メニューの変化にも表れている。今春まではスタンド前からコース入り。1~2角をゆったりと回ってから徐々にスピードを上げ、6Fから計時する追い切りが基本だったが、今秋は向正面から入り、いきなり加速して5Fから計時する方法を取り入れた。「以前はテンションも考え、長めからジワッと出て前半は我慢させることが主眼だった。今はどっしりしてその必要がないし、競馬に行って気持ちが乗り切らない面も考慮して、最初からスピードに乗せていく調教をしている」と指揮官は説明する。この中間は併せ馬や坂路調教も積極的に組み込み、常に新しい刺激を与え続けてきた。

 「昨年は挑戦者だったが、今年は立場が違う。それに恥じないレースができるよう、仕上げてきた。この後の有馬記念もあるが、まずは目の前の一戦に全力投球」。久保田師は力強く締めくくった。宝塚記念でドゥラメンテ、キタサンブラックを封じ、狙うは有馬での春秋グランプリ制覇。大目標へ向け、ここで女王の座を譲る気は毛頭ない。

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