【AR共和国杯】操作性増したフェイムゲーム「あとはエンジン」

[ 2016年11月3日 05:30 ]

北村宏を背に併せで追い切るフェイムゲーム(手前)

 秋の東京の名物長距離ハンデ重賞「第54回アルゼンチン共和国杯」の最終追いが2日に美浦、栗東トレセンで行われた。前走・宝塚記念17着後に去勢手術を行ったフェイムゲームは、併せ馬でスムーズに併入。去勢効果で操作性は確実に増している。トップハンデ58キロを克服し、重賞4勝の底力を見せるか?

 フェイムゲームがブランクを感じさせない動きを披露した。坂路を4F61秒2と速めのキャンターで駆け上がった後、Wコースへ。ウイングチップ(4歳500万)を4馬身追走。道中は折り合い、直線は内からスッと接近した。5F70秒7~1F13秒2。手応えこそパートナーが勝っていたが、負けじと併入した。

 前走・宝塚記念17着後に去勢手術を行い、これが復帰初戦。動きを見届けた宗像師は「良かったですね。(追い切り前の)坂路も速めに乗って、隠し味は加えたつもり。負荷は結構かかっていると思う」と穏やかな表情。去勢効果については「ジョッキー(北村宏)も乗りやすくなったとのこと。反抗するような面もなくなっている」と一定の成果を感じている。

 昨春天皇賞で2着に力走し、昨秋は豪G1メルボルンC(13着)に挑んだ国内屈指の長距離砲。しかし、休養前の宝塚記念はチークピーシーズ効果も薄く、ハミを取ることなく後退。気性難を解消するため、去勢に踏み切った。指揮官は「見た感じは筋肉も落ちていないし、当日は460キロ前半(前走は458キロ)で出せそう。ただホルモンバランスの関係もあり、去勢効果が出るのは少し先になるかも。ハンドルとブレーキは利くようになったので、あとはエンジン…」と言葉を選ぶように続けた。去勢=一変なら、これほどたやすい話はなく、同師が慎重なのも無理からぬ話だ。

 実績を評価され、トップハンデの58キロ。「この馬自身は背負い慣れていても、他馬とはハンデ差があるから。ただ乗り慣れた北村宏君が乗れるのはいいと思う。広い東京も合うので」と同師。去勢直後&重ハンデを克服するようなら、当然G1復帰が見えてくる。関東が誇る重賞4勝の実力派。2年前に制した思い出重賞で、果たしてどんな結果を出すのか?

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