【凱旋門賞】“国内1番人気”に応えられず…マカヒキ14着惨敗

[ 2016年10月3日 05:30 ]

<凱旋門賞>14着と馬群に沈んだマカヒキ(14)

 やはり世界の壁は厚かった――。2日の日本時間夜、仏シャンティイ競馬場で行われた第95回凱旋門賞で、日本のマカヒキ(牡3=友道)は14着と馬群に沈んだ。勝ったのはファウンド(牝4=愛国)でコースレコードの2分23秒61だった。2着はハイランドリール(牡4=愛国)、3着はオーダーオブセントジョージ(牡4=愛国)とA・オブライエン厩舎のガリレオ産駒が1~3着を独占した。このレースで初めてインターネット投票により海外競馬の馬券が国内で発売され、国内オッズでマカヒキは2・8倍で1番人気を集めたものの、日本競馬の悲願である凱旋門賞制覇は来年以降に持ち越しとなった。

 外めの14番ゲートから好スタートを決めたマカヒキ。ルメールがそつなく導き、序盤は5、6番手。最大のライバルのポストポンドをすぐ前に見る形で進めた。ただ1400メートル1分22秒5見当の超ハイペース。3~4角をクリアして迎えた直線。先に仕掛けたポストポンドに、マカヒキはついて行けない。ルメールが手綱を押しても反応はなし。内から勝ち馬ファウンドなどが抜け出していく中、14着に沈んだ。

 「残念。普段はリラックスして乗りやすい馬だけど、きょうは引っかかってしまった。スタート前はいい感じだったんだけど。レースではすぐオーバーペースに。最終コーナーで追走が難しくなり、最後は疲れてバテてしまった」とルメールは肩を落とした。

 第二の故郷と語る日本の馬で、母国の最高峰のレースに挑んだ。自身がダービーで騎乗したサトノダイヤモンドの仏遠征プランが消えると、すぐに動いた。「凱旋門賞でマカヒキに乗りたい」と友道師に直訴。熱い思いを伝えた。

 「日本に来たし、日本の馬で凱旋門賞を勝ちたいんだ。日本の馬はまだ勝っていないし、僕はフランス人だけど06年のプライドでの2着が最高。僕自身のライフストーリーと日本の馬のストーリーが重なったんだ」

 時を同じくして、馬主の金子真人氏(名義は金子真人ホールディングス)も友道師に伝えていた。「行くならシャンティイを知っているルメールで」。それが凱旋門賞に挑戦する条件だった。凱旋門賞にかける2人の思いは確かに重なった。

 金子氏にとっても待ちわびた一戦だった。06年、マカヒキの父ディープインパクトで凱旋門賞に挑み、3位入線。後に失格。あの時から10年、父の無念を晴らすべく現れたのがマカヒキだった。前哨戦のニエル賞を制し、究極の仕上げで挑んだが、雪辱には至らなかった。

 今後に関しては「一切未定。使うレースも決めていません」と友道師。仮に使うとしても有馬記念(12月25日、中山)のみとなる見込み。そして「この経験は生きると思う」と早くもリベンジへの意欲を示した。ただ、海外からは巨額オファーが届いており、移籍の可能性もゼロではない。いずれの道を歩んだとしても、マカヒキはまだ3歳。世界一の舞台は、来年も待っている。

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2016年10月3日のニュース