【凱旋門賞】マカヒキ 内枠有利なシャンティイで“試練”の14番

[ 2016年10月1日 05:30 ]

凱旋門賞で馬番と同じ14ゲートからの発走となったマカヒキ

 仏G1「第95回凱旋門賞」の枠順抽選会が9月30日に行われ、マカヒキは馬番と同じ14ゲートからの発走となった。内枠有利とされるコースでの外枠発進となったが、陣営は全く意に介していない。友道師にとって「14」は初めてG1を勝った時と同じラッキーナンバー。また、一昨年のヴィクトリアマイルも「14」で戴冠を果たしている。日本馬悲願の凱旋門賞制覇へ、ムードは最高潮に近づいてきた。

 パリ近郊のサンクルー競馬場で午前11時から始まった枠順抽選会。しかしそこにマカヒキ陣営の姿はなかった。友道師はルメールや他の厩舎スタッフと共に、シャンティイ調教場でマカヒキの調教を見届けてから、報道陣の前に姿を見せた。この男はどこまでも冷静で、淡々としている。

 「正直なところ、枠はどこでも良かったし、別に行かなくてもいいかなと思って。ルメールも集中したいということで、誰も行かないことになりました」

 結果を待つ友道師に伝えられたのは外寄りの14番。出来上がったばかりの出馬表をザッと見渡した指揮官は、改めて「うん、どこでも良かった」。さらに「ルメールも“枠はどこでもいい”と言って帰って行ったよ」と笑みを浮かべた。

 ただ、14番枠には縁があることも指揮官は覚えていた。初めてG1の表彰台に立った08年の天皇賞・春。アドマイヤジュピタが着けたゼッケンが14番だった。

 「ラッキーナンバーではあるよね。一昨年、ヴィルシーナでヴィクトリアマイルを勝った時も14番だったし、去年の(凱旋門賞を勝った)ゴールデンホーンもコースこそ違うけど14番。言うことないね」

 データ的には決して有利な枠ではない。シャンティイは内枠有利な競馬場として知られ、凱旋門賞の舞台となる芝2400メートルも例外ではない。それでもレース巧者のマカヒキなら、そしてシャンティイを知り尽くしたルメールの手綱なら、全く心配ない。

 「こっちの馬に比べてスタートは速いし、ある程度は前に行けるはず。理想は4、5番手の内だけど、この頭数ならむちゃくちゃ外を回らされることはない。前に壁がなくても折り合えるし、ごちゃつく可能性のある真ん中よりも良かったよ」

 この日のマカヒキはリヨンの坂路コース2本のメニュー。「1本目は元気が良かったけど、2本目は落ち着いていた。筋肉のパーツの一つ一つが大きくなって、本当にいい感じです」。1日はシャンティイの開催日。友道師は「馬場を見がてら競馬場に行くよ。お土産買わなきゃ。さすがにレースの日には買えないからね」とリラックスムードだ。人馬共に、異国とは思えないほど余裕がある。頼もしい。実に頼もしい。今年こそやってくれると信じて、決戦を待とう。

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