【新潟記念】横典全10場重賞制覇 アデイ初戴冠エスコート

[ 2016年9月5日 05:30 ]

第52回新潟記念、レースを制したアデイインザライフ(左から2頭メ)

 サマー2000シリーズ最終戦「第52回新潟記念」が4日に新潟競馬場で行われ、横山典弘(48)騎乗の2番人気アデイインザライフが、外ラチ沿いから鋭く伸びて重賞初制覇。横山典は史上4人目(現役2人目)のJRA全10場重賞制覇の快挙を達成した。

【レース結果】

 アデイインザライフを操るベテラン横山典は、メイショウナルトの大逃げにも慌てず騒がず。「後ろからそっと追走して、どれだけ伸びるか。器用な馬じゃないから不利なく走らせたかった」と、後方2番手で構えた。荒れた馬場の内を各馬が避けた結果、縦長の馬群は、いつしか横長へ。4角すぎ。そこには、まるで直線レースと見間違うような横一線の光景が繰り広げられていた。

 アデイのポジションは、その馬群の一番外。560キロの巨体を揺らしながら、迫力満点のストライドを繰り出し、懸命の追い込み。鞍上もこん身のステッキを振るう。残り200メートルで内からアルバートドックが馬体を並べ掛けたが、上がり3F最速32秒7の末脚をさく裂させ、3/4馬身振り切ったところでゴール。5カ月余ぶり、昇級戦も何の、重賞初タイトルを手に入れた。

 横山典は史上4人目となるJRA全10場重賞制覇を達成。デビューから30年6カ月4日での達成は、史上最長キャリアとなった。日頃から「自分のことは二の次」と記録に関心を寄せないが、快挙達成の感想を聞かれるとニッコリと笑みを浮かべ「うれしいです」とシンプルな言葉で喜びを表現した。続けて「思った通りの競馬ができた。今日も暑くてどうなることかと思ったが、馬が我慢してくれた」と残暑の中、全力を出し切ったパートナーの頑張りを最大限に称えた。

 アデイは3歳時には皐月賞(16着)へと駒を進めた素質馬。昨年2月に定年引退した鈴木康弘元調教師から引き継いだ萩原師も「責任を感じていた」と安どの表情。今後について「2000メートル前後のレースを目標にすることになるだろう」と明言はしなかったが、天皇賞・秋(10月30日、東京)あたりも当然、視野に入ってくる。

 アデイインザライフとはビートルズの名曲。意味は「人生のとある一日」。その曲名通り、ベテランにとって自らの快挙は「とある一日」にすぎないかもしれないが、アデイの秋につながる初戴冠は、横山典にとっても陣営にとっても、大きな区切りの一日となったに違いない。

 ◆アデイインザライフ 父ディープインパクト 母ラッシュライフ(母の父サクラバクシンオー)牡5歳 美浦・萩原厩舎所属 馬主・池谷誠一氏 生産者・北海道白老町の社台コーポレーション白老ファーム 戦績13戦6勝 総獲得賞金1億3203万9000円。

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