【札幌2歳S】“昼顔”インヴィクタ 余力残し併入12秒2

[ 2016年9月1日 05:30 ]

併せ馬で追い切るインヴィクタ(右)

 「第51回札幌2歳S」の最終追い切りが8月31日に行われた。札幌競馬場では逆転での札幌リーディングを狙うルメール騎乗のインヴィクタが、鋭い伸び脚を見せた。

 朝の調教で動いても昼のレースになるとしぼんでしまう馬を「朝顔」という。逆に朝の調教で動かなくても昼のレースで才能の花開く馬は「昼顔」である。世界に共通する競走馬の比喩。インヴィクタの追い切りから引き揚げてきたルメールの第一声も「この馬は昼顔だね」だった。母国のフランス語ではリズロン。「朝の調教は眠たいし、賞金も出ないから本気で走らない。でも、昼になると頑張る。そういう馬です」

 昼顔だけに、この日午前5時半の本馬場追い切りでは才能の片りんを見せただけ。それでも、未勝利馬相手では体力が違う。ラブフルーツ(2歳未勝利)の3馬身後方から差を詰めると、余力残しで併入に持ち込んだ。ラスト1F12秒2の瞬発力。新馬時に余裕があった腹周りは引き締まり、後肢の張りが増している。見届けた友道師も「1回使って落ち着きが出てきた。馬体もシャープになった」と言う。新馬戦では出遅れながら4角からまくって首差勝ち。「ノットフルパワー(全力を出さず)少しだけ勝つ。昼になると、仕事をする馬です」とルメールは昼顔ぶりを強調した。

 札幌リーディングは既に香港へ転戦した1位モレイラ(17勝)を、ラスト1週で2位ルメール(13勝)が逆転できるかが焦点。札幌最終日(4日)騎乗後にダービー馬マカヒキ(11日のニエル賞出走)の待つフランスに移動するルメールは「僕もリズロン(昼顔)になって、仕事します」と母国語でタイトル獲りを誓った。

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2016年9月1日のニュース