【関屋記念】「夏は牝馬」の典型マジック、余力たっぷり12秒7

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<関屋記念・追い切り>併せで追い切るマジックタイム(右)

 サマーマイルシリーズ第2戦「第51回関屋記念」(14日、新潟)の追い切りが10日に美浦、栗東トレセンで行われ、マジックタイムが軽快なフットワークを披露した。夏と左回りに強い牝馬。新潟初参戦のルメールとの初コンビでタイトルをつかむ構えだ。「第21回エルムS」(14日、札幌)の追い切りでは、調教駆けしないクリノスターオーが相変わらずの動きを見せながらも、態勢を整えた。

【関屋記念】

 夏は牝馬を狙えという。連日35度以上の猛暑日が続いてもマジックタイムに夏負けは無縁。Wコースで張りに満ちた黒鹿毛を躍動させる。直線、内からツインプラネット(6歳500万)が迫ると、四肢に力がこもった。独特のピッチ走法で余力たっぷりに半馬身先着。馬なりで5F67秒4、ラスト1F12秒7をマーク。中川師は「新潟への直前輸送があるので余裕残しの調教だが、このひと追いで状態はさらに1段上がってくるはず。休み明けでも動ける」と満足そうに口火を切った。「夏に強い牝馬っていうけど、この馬もダメージは全くない。馬房に戻ると、エアコンの下で涼んでいるよ」と涼しげな顔。

 7月21日に福島・ノーザンファーム天栄から帰厩後、4本目の追い切りを重ねてもカイバをしっかり食べて馬体を増やしてきた。食欲不振、馬体減り、イレ込み、過剰発汗…夏負けの兆候は皆無。追い切り後の落ち着き払った歩様に同師は頼もしげな視線を送った。

 なぜ牝馬は夏に強いのか。JRA競走馬総合研究所・運動科学研究室の高橋敏之室長は「夏場は繁殖シーズンが終わっているにもかかわらず、女性ホルモンの分泌が盛んになるのです。科学的には解明されていませんが、女性ホルモンと何らかの関係があるかもしれません」と語る。ともあれ、マジックタイムは夏に強い牝馬の典型だろう。

 左後肢の筋力が右後肢よりも強いサウスポー。直線に向いてから左後肢を軸に推進する左回りの新潟はベスト舞台。「ヴィクトリアマイル(6着)では出遅れて押していったらハミをかんでしまった。速い流れを先行、直線で外に出して内から差される展開も痛かった。再び左回りのマイル戦。巻き返したい」と師。真夏に牝馬パワー全開だ。

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2016年8月11日のニュース