【函館2歳S】レヴァンテレコードV!皇成が病床の矢作師に恩返し

[ 2016年7月25日 05:30 ]

レコード勝ちしたレヴァンテライオンの三浦はガッツポーズ

 今年最初の2歳重賞「第48回函館2歳S」が24日、函館競馬場で行われ、2番人気レヴァンテライオンが2歳コースレコードで快勝。鞍上の三浦皇成(26)は、デビューした08年の重賞初V以来となる同レース2勝目。療養中の矢作師に恩返しのタイトルをささげた。

【レース結果】

 何としても勝ちたい。三浦の気迫の手綱に、レヴァンテライオンが底知れぬポテンシャルで応えた。ロケットスタートを決め、好位3番手をキープ。4角を抜群の手応えで回り切ると、直線残り200メートルで早くも先頭に立つ。内から1番人気モンドキャンノが迫ったが、鬼気迫る左ステッキにもうひと伸び。従来の記録を0秒1更新する1分9秒2のコースレコード。文句なしの勝利に、鞍上は左手を高々と突き上げた。

 「デビュー戦の前の調教から乗せてもらって期待していた馬。まずはホッとした」と三浦。「前に行く予定ではなかったが、ゲートが速く楽に位置を取れた。体を使ってうまく走っていたし、追ってからの手応えも十分。馬の力を信じて強気に乗った」と、会心の騎乗を振り返った。

 鞍上には心中期するものがあった。レヴァンテを管理する矢作師は前立腺がんを公表し、現在は手術を終えて入院中。「デビューした時からお世話になっているし、グランプリボス(14年安田記念で鼻差2着)で悔しい思いをさせたので、どこかで恩返ししたいと思っていた。先生も大変な時期なのに、電話で“頼むぞ”と。きょうは勝ちだけを意識して乗ったし、結果を出せてよかった」。病床の師にとって、何よりの励みとなる勝利を贈った。

 これで2戦2勝。「2歳離れした落ち着きがあるし、古馬のような芯のある走りをする」と三浦は愛馬を評価する。自身もデビューした08年に重賞初制覇(函館2歳S=フィフスペトル)を飾って以来となる函館重賞V。「毎年、函館で乗っていながら、大きいレースを勝てなかったので、本当にうれしい。僕自身もこの勝利を弾みに、もっと競馬を盛り上げていきたい」と締めくくった。

 今後は距離を延ばしていくプランもあるレヴァンテ。騎手人生においても意味ある1勝を挙げた三浦、手術を無事終えた矢作師と共に、それぞれが新たなステージへと飛び立つ。

 ◆レヴァンテライオン 父パイオニアオブザナイル 母ゴーストリーダークネス(母の父ゴーストザッパー)牡2歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・ライオンレースホース 生産者・米国ハーガス・セクストン、サンドラ・セクストン、トム・ボザース 戦績2戦2勝 総獲得賞金3857万4000円。

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2016年7月25日のニュース