【函館2歳S】“ヤンチャさ消えた”優等生モンド 世代初重賞ウイナーへ

[ 2016年7月21日 05:30 ]

函館芝コースでピンクスター(右)と2頭併せで追い切ったモンドキャンノ

 2歳世代最初の重賞ウイナーを決める「第48回函館2歳S」の追い切りが20日、函館競馬場で行われた。開幕週に好時計でデビュー勝ちしたモンドキャンノは、芝コースの併せ馬で先着し好調をアピール。無傷のタイトル奪取へ、万全の態勢を整えた。

【函館2歳S】

 デビュー戦完勝の能力を、存分に感じさせる最終追いだった。モンドキャンノは函館芝コースで併せ馬。ピンクスター(2歳新馬)を4馬身ほど先行させ、小雨に煙る向正面を軽快に流していく。3~4角で差を詰めて直線へ。内に馬体を併せた時間はわずか。あっさり抜き去ると、手応えに余裕を残したまま2馬身先着した。

 安田翔助手は「今日は真面目に走れるかをポイントに追い切ったが、走ってみたら気合をつける必要もなかった。体も締まって、1回使った上積みも感じる」と満足そうに振り返った。気性が若く、入厩当初はどこへ飛んでいくか分からないような危うさもあったというモンド。この日の追い切りでも「抜け出してから左(スタンド側)に行きそうな感じがあった」というが「以前に比べれば、そういう面もだいぶ解消した」と精神面も日を追うごとに成長している。

 デビュー戦は開幕週とはいえ、今回と同じ舞台で勝ち時計1分9秒4。今開催の芝1200メートルで行われた2歳戦(未勝利戦含む)10戦で最も速く、クリスマス(13年函館2歳S優勝)が持つ2歳コースレコードに0秒1差まで迫る好タイムだ。好位で控え、直線で抜け出す教科書通りの内容。2着ドゥモワゼル、3着フクノクオリア、4着ラッシュアウトまでが、その後未勝利を勝ち上がり、ここにエントリーしてきたことからもレベルの高さは明らかだ。

 4月に栗東に入厩して、じっくりと調整を積み重ねてきた。「デビュー前から能力を感じていた馬。何が起こるか分からない新馬戦で結果を出せたので、次は何とか世代初の重賞ウイナーにしたい」。率直な願望を口にした安田翔助手は、最後に期待の大きさをこう表現した。「本当に良くなるのはもっと先で将来が楽しみな馬。そういう意味で、ここをステップにしたい」。野望を胸に、まずは1つ目の勲章を手に入れる。

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2016年7月21日のニュース