【函館スプリントS】ベローチェ 人馬初タイトルへ“悔いない仕上げ”

[ 2016年6月16日 05:30 ]

コンビを組む中井と函館芝コースで単走で追い切ったローレルベローチェ

 函館競馬開幕週のメイン「第23回函館スプリントS」(19日)ではローレルベローチェが軽快な走りを見せた。

 北の大地で人馬悲願のタイトル奪取だ。ローレルベローチェはレース2週前の4日から函館入りして、中井が付きっきりで調教に騎乗。鞍上は「涼しく静かな環境が合っているのか、凄く落ち着いています」と話す。父サクラバクシンオー譲りの爆発的なスピードが武器だが、その一方で気持ちのコントロールが難しい馬。鞍上は細心の注意を払って稽古をつけてきた。

 「まずはテンションを上げすぎないように。そして馬自身が毎日納得して調教を終われるように」

 調教は他馬がいなくなった時間帯に開始。気分が落ち着かないときは角馬場でのフラットワークを長めに。リラックスしているときは、負担をかけすぎないようコースをサッと流して気持ちをコントロールする。「頭の高い馬なので、なるべく背中を下げさせるように心掛けています」。前運動や上がり運動も買って出るなど、長い時間をかけて信頼関係を構築してきた。

 最終追いは初の函館芝コースへ。序盤は折り合い重視に5F67秒5。3角すぎからピッチを上げると、直線は軽く気合をつけた程度でラスト1F12秒5と鋭い反応で駆け抜けた。「雨の洋芝で重たい馬場だったが、しっかり動けていた。元々ダートで走っていてパワーはある馬。悔いのない仕上げができました」と万全の出来に胸を張る。

 前走のG1は前半3F32秒7という超ハイラップが響いて16着に終わったが、ハクサンムーン、ミッキーアイルなど一線級の逃げ馬を相手にハナは譲らなかった。自身の重賞初制覇も懸かる鞍上は「あのメンバーで先手を奪えたのは収穫。スタートは速いので今回もハナは譲らない気持ちです」と闘志を燃やす。

 開幕馬場を味方に一気の逃走劇。人馬の強い気持ちがレースで結ばれたとき夢は結実する。

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