菜七子 初勝利ゼッケン盗まれた!歓喜一転後味サイアク…

[ 2016年3月26日 10:27 ]

浦和競馬3R、アスキーコードで初勝利を挙げた際のゼッケン。馬番のほかにサインが書かれていたが…

 JRA16年ぶりの新人女性騎手として注目を集める藤田菜七子(18)の初勝利ゼッケンが盗難被害に遭っていたことが25日、分かった。24日の浦和競馬3R、アスキーコードに騎乗してデビュー初勝利を挙げたが、その際に使用したゼッケンがレース直後、何者かによって持ち去られていた。容疑者は特定されていないが、怪しい人物の目撃情報も寄せられており、埼玉県警は捜査を行っている。

 事件が起きたのは24日の浦和競馬3Rで、菜七子がアスキーコードで見事に逃げ切り勝ちを収めた直後のこと。時刻は正午すぎだった。検量室で歓喜に沸く菜七子や師匠の根本康広調教師。レース後の検量を終え、馬から外された「1」番のゼッケンを脇に置いていたところ、関係者を装った50代くらいの男が、そのゼッケンを手に近づいてきた。そして「ここにサインをしてもらえますか」とねだった。

 浦和競馬場では、重賞以外は馬番とレース番号が書かれたゼッケンを、毎回洗って繰り返し使っている。それを知っていた根本師が「また使うのに、大丈夫ですか?」と問い掛けると、その男は「浦和競馬場の記念品として管理することになりましたから」と答えたという。その男は、どこから入手したのか川崎競馬場関係者のポロシャツを着用していたこともあって「そうなんですか」と、何の疑いもなく菜七子はペンを走らせた。

 再び装鞍後、ウイナーズサークルでの口取り式に参加。馬上で初勝利に喜ぶ菜七子のゼッケンには、したためたばかりのサインが見受けられる。検量室に戻り脱鞍後、検量室内に置かれていたゼッケンをその男が持ち去ったとみられる。

 しばらくたってから根本師が一連の出来事を浦和競馬の他の関係者に話したところ、「そのようなことは行っていない」という返答を受け、ゼッケンがなくなっていることが判明。そこで初めて今回の盗難事件が発覚した。根本師は「記念品にするというからサインさせたのに」と怒りが収まらない。

 容疑者は特定されていないが、その男は口取りの際もカメラマンを遮って写真撮影を行うなど、不審な行動が目撃されていた。埼玉県警浦和署は本紙の取材に対し「事件があったことは承知しているが、関係者から聴取が終わっていないので詳しいことにはお答えできない」と回答。一気に2勝を挙げた菜七子にとって浦和競馬場は忘れられない場所となったはずだったが、何とも後味の悪いものになってしまった。

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2016年3月26日のニュース